「正体」

一家を惨殺した死刑囚は、なぜ脱獄したのか

「正体」について
2020年に光文社から単行本として発売された、染井為人先生の長編ミステリー小説。
2022年には光文社文庫から文庫版が発売されました。
2022年には亀梨和也さんで連続ドラマ化、そして2024年には横浜流星さんで映画化と、さらに人気と注目が集まっている作品です!
「正体」あらすじ
ある民家で、住民である夫婦と幼い息子が殺害される。
通報を受けた警察が現場に着いた時に、現場にいた18歳の少年が逮捕されてしまいます。
そしてその少年は、死刑判決を受け、拘置所に収監されることになるのだが、逮捕から約1年半が過ぎたころ、その少年は脱獄する。
物語は、この脱獄から始まる少年の逃亡生活を描いています。
逃亡しながら、いろいろな環境に身を置き、そこで出会う人々との関係を描き、脱獄犯である少年の人間的な部分を繊細に描いています。
逃亡を続けるために、少年は様々な人間に姿を変えて誰にも気付かれないような生活をしていきます。
そんな生活の中で、少年の心の中にある、「脱獄の理由」が徐々に明らかになっていきます。
少年は何故、危険を犯してまで脱獄したのか、そして彼が脱獄の末に辿り着いた場所とは。。。
その脱獄の理由に隠された目的には、悲しい現実が隠されていた。

染井為人先生の作品は初めてでした。
この作品、とにかく面白かった、姿を変えながら逃亡する少年の様子、そして脱獄の理由。
一つの作品の中に楽しめる要素がいくつもあり、ぐいぐい読むことができた!
「正体」の感想
染井為人先生の長編ミステリー小説!
この物語の始まりは、一家惨殺というとてもショッキングな事件から始まり、そしてその犯人とされている少年の脱獄。
一見普通の、よくある物語かと思いましたが、徐々にこの物語の他とは違った特徴が分かり始めました。
脱獄した犯人の、姿を変えながらの逃亡生活が描かれており、姿を変えながら別人になりすます生活の1つ1つに少年の隠しきれない人間的な部分が描かれています。
行く先々での少年と周りの人たちとの人間関係を描きながら、この脱後犯である少年の、根底にある人間性を少しずつ読者に伝えています。
読みながら、なぜか徐々に、この脱獄犯を憎めないという感情になっていきました。
正体を隠しながらも、ついつい出てしまう人間性に、周りの人間たちもなぜか彼を憎めない、惹かれていることに気づきます。
そして徐々に明らかになってくる彼の正体。
彼はなぜ脱獄したのか、その脱獄の理由が見えてくると、もう彼を応援したくなるほど彼の人間性に惹かれていました!
脱獄犯の少年の本当の正体とは、彼の中に見える本当の彼、それが彼の正体なんだと
この物語の正体という意味が深く感じられました。
そして最後に迎えた結末に。。。
これは是非読んでその結末に何を思うか感じてみてください!

いやー面白かった!
切なくも感じる、この主人公の正体、本当の正体ってね一体!
読旅の分析・評価

「正体」SNSでの反応!
SNSに投稿されている「正体」に関する投稿を見つけましたので掲載しています。
沢山の投稿がありましたが、その中から心に残った投稿を掲載させていただきました。
Xでの反応!
Xでも「正体」に関するたくさんの投稿があります。
本書の魅力がよくわかります!
『正体』染井為人 #読了
— 三日月めがね@読書垢 (@sqod_megane) February 7, 2025
人の正体はどう見分けたらいいのか考えてしまった。
行動さえ取り繕っていたら、
意外と正体なんてわかんないかもと。
途中まではそう思った。
そんな考えが覆される、人の本質は必ず伝わるものだと
信じさせてくれるラストに胸が熱くなった。 pic.twitter.com/yqdmDXeh81
『正体』読み終わった!
— マリモ☘️ (@marimokirari) February 7, 2025
ええー!ですよ😱
ドラマと映画の違いが気になって20年ぶりに本を読んだんだけど…気になってた違いはドラマの方が原作に忠実だった
でも、それよりビックリする違いに思わず叫んだ私であった💦 pic.twitter.com/8PefZ9TFdR
Inatagramでの反応!
Instagramでも多くの方が「正体」に関する感想を投稿しています。
本書の魅力がよくわかります!
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