「死にがいを求めて生きているの」
争わずに生きる方法を探す
血に惑わされずに生きられるか!!
「死にがいを求めて生きているの」について
この作品は、中央公論新社の「螺旋プロジェクト」という企画の中の作品です。
螺旋プロジェクト
中央公論新社 「螺旋」プロジェクト|特設ページより引用
「共通ルールを決めて、原始から未来までの歴史物語をみんなでいっせいに書きませんか?」
伊坂幸太郎の呼びかけで始まった8作家
朝井リョウ、伊坂幸太郎、大森兄弟、薬丸岳、吉田篤弘、天野純希、乾ルカ、澤田瞳子による前代未聞の競作企画である。
このプロジェクトの共通ルールがあって、まずはそのルールを紹介します。
- ルール①
「海族」と「山族」の対立を描く! - ルール②
共通のキャラクターを登場させる! - ルール③
共通のシーンや象徴モチーフを出す!
これらの共通ルールを守って書かれていることが前提にあります。
本作品はこの螺旋プロジェクトの中では、平成の時代を描いた作品です。
「平成」の時代は、歴史の時代区分では、今の令和の1つ前の時代で、今この記事を読んでいるほとんどの方が過ごした時代ですね。記憶に新しい時代です。
ん~平成。。。いろいろなことがありました。(笑)
そんな平成の時代。
平成の時代を生きる若者たちの人間関係や自分自身の存在というものに対する意味を探す。
そんな若者たちの姿をリアルに描いた作品で、螺旋プロジェクトの作品8作品の中でもボリュームのある作品になっています。
若者たちの姿を描いた作品。
いつの時代に生きる若者たちも、大人になる過程で色んなことを考えてるよね。
「死にがいを求めて生きているの」の感想
この作品は、冒頭でも紹介した「螺旋プロジェクト」の中の作品です。
この作品は、海族と山族という古代から続く血の宿命を絡めながら、平成という時代に生きる若者たちの姿を描いています。
競争をする必要がなくなった、友達や他社と競争するということが重要視されなくなり、自分自身というものを表現し、アピールすることが奨励される若者たち。
彼らは、自分自身というものを本気で見つめることになります。
しかし、自分を知りアピールするということは、他人を知る、他人との違いを見つけるということにもなり、その過程に苦悩する若者たちの葛藤が表現されています。
海族と山族の血の宿命というテーマが一見関係していないように感じますが、その若者たちの苦悩の背景には、実はその血の宿命が関係しているのではないかということが感じられます。
平成という時代だけに、表立って血の宿命ということは見えないけど、その背景にしっかりと血の宿命が潜んでいるという感じだね!
その血のことを知らずに生きながら悩んでいる若者。
その血の存在を知りながら人間関係をなんとか保とうとする若者。
これらの絶妙な関係を上手く描いています。
そして徐々に海族と山族の関係が明らかとなっていく、その血の存在に気付いていく、最後に若者がたどり着いたのは、血の宿命かそれとも血に抗った生き方か
朝井先生の作品はいつも深く考えさせられます。
読後感が凄い作品です!
読旅の分析・評価
今回この作品の分析評価として総合評価76点と高評価になりました。
螺旋プロジェクトの中で、「平成」の時代を描いた作品。
ストーリーや構成などは9点と高得点を付けました。その一方で意外性やドキドキ、感動・泣けるという点では中間点の6点になっています。
そして考えさせられる・心に沁みるという項目では、8点の高得点としました。
朝井先生の作品の深くて沁みるという特徴が、この作品でもとてもよく表れていたと感じました。
作品の裏には激しい感情が秘められていると感じながら、その深さを淡々と読者の心に沁み込ませてくる。
激しいドキドキ感や感動というよりも、ジンと深く沁みてくるという感じの作品なので、このような評価になりました。
少し偏りのある形のグラフにはなっていますが、十分楽しめる作品です!
「死にがいを求めて生きているの」SNSでの反応!
SNSに投稿されている「死にがいを求めて生きているの」に関する投稿を見つけましたので掲載しています。
沢山の投稿がありましたが、その中から心に残った投稿を掲載させていただきました。
Twitterでの反応!
ツイッターでも「死にがいを求めて生きているの」に関するたくさんの投稿があります。
本書の魅力がよくわかります!
大好きな朝井リョウさんの『死にがいを求めて生きているの』が文庫化したので改めて…
— 佐鳥 (@152_sss) November 1, 2022
普段目を背けて生きてる自分の嫌な所や醜い所を素手でぐちゃりと抉ってくるような作品。でもただ嫌な気分になるだけでなく、自己肯定感とか承認欲求とか自分を省みるきっかけになる話が沢山ある!是非読んでほしい pic.twitter.com/ZHd7Fn8wLR
「死にがいを求めて生きているの」/朝井リョウ
— 読み猫 (@sirobook) February 22, 2021
やりたいことを持っている奴が正義みたいなこの世の中で、やりたいことがない人は悪なのか。自分に価値を見いだせない人は、誰かと対立することでしか自分の存在価値を確認できないのか。ただ生きるって難しい。#読書#読了#読書好きな人と繋がりたい pic.twitter.com/8LykBGwzvt
Inatagramでの反応!
Instagramでも多くの方が「死にがいを求めて生きているの」に関する感想を投稿しています。
本書の魅力がよくわかります!
コメント