《感想》◆コイコワレ◆
海族と山族は仲良くなれない、その宿命に抗った二人の少女

読書感想小説青春歴史・時代人生・人間ドラマ

「コイコワレ」

コイコワレ:乾ルカ
コイコワレ:乾ルカ

海族と山族は仲良くなれない
その宿命に抗った二人の少女!

コイコワレ:読書記録
コイコワレ:読書記録

「コイコワレ」について

この作品は、中央公論新社の「螺旋プロジェクトという企画の中の作品です。

螺旋プロジェクト
「共通ルールを決めて、原始から未来までの歴史物語をみんなでいっせいに書きませんか?」
伊坂幸太郎の呼びかけで始まった8作家
朝井リョウ伊坂幸太郎大森兄弟薬丸岳吉田篤弘天野純希乾ルカ澤田瞳子による前代未聞の競作企画である。

中央公論新社 「螺旋」プロジェクト|特設ページより引用

このプロジェクトの共通ルールがあって、まずはそのルールを紹介します。

  • ルール①
    「海族」と「山族」の対立を描く!
  • ルール②
    共通のキャラクターを登場させる!
  • ルール③
    共通のシーンや象徴モチーフを出す!

これらの共通ルールを守って書かれていることが前提にあります。

本作品はこの螺旋プロジェクトの中では、昭和前期の時代を描いた作品です。

昭和前期」の時代は、歴史の時代区分では、日本は日中戦争や太平洋戦争の勃発など、外国との戦争が起こっていた時代です。

外国と戦争をしている時代の話なんだね。
戦争によって多くの方が普通の生活をできなかった時代だね。

戦争の最中にあった日本で
親元を離れて疎開した子供たち、そんな疎開先の子供たちの間にあった海族と山族の関係を描いています。

「コイコワレ」を読んで

この作品は、冒頭でも紹介した「螺旋プロジェクト」の中の作品です。

この物語で描いたのは昭和前期時代、日本はまさに戦争の最中。
そんな時代に戦争の被害から免れるために、子供たちは疎開することとなる。

その疎開先で出会った子供たち。
彼らの中にも「海族と山族」という決して交わることの出来ない、仲よくすることの出来ない関係があった。

疎開先で出会った子供たち、海族と山族の宿命など知らない子供たちが、「何だかあの子の近くにいると嫌な気持ちになる」。湧いてくる感情に気付きだします。

本能的にその宿命を感じてしまってるんだね!

蒼い目を持った海族の少女と
大きな耳を持った山族の少女

この二人も海族と山族の宿命に翻弄され、お互いの存在を理由もなく嫌うようになる。
しかし、二人はある出来事をきっかけに、その宿命を感じながらもその宿命に対して疑問を抱くようになっていきます。

この宿命の先にあるのは、ただ争うことだということに虚しさを感じ、このままではダメだということを、周りの人たちからも気付かされ、感じて学んでいくこととなる。

本当に強い人間は、その憎しみを相手には向けない。

本当に強い人間になるために、少女二人は宿命に抗い、自分自身と向き合いながら
お互いの存在を認め、生きていくという人生を選びます。

忌み嫌い合う2人、でもなぜがその存在が気になってしまう。
それは負けたくないという気持ちからなのか

何とかその関係を違う形で表現できないのか、いつかその存在を許し、分かり合えることができるのか

そして二人の少女がたどり着いた未来とは一体。


読旅の分析・評価

コイコワレ:分析・評価
コイコワレ:分析・評価

今回この作品の分析評価として総合評価74点と高評価になりました。

螺旋プロジェクトの中で、「昭和前期」の時代を舞台として、海族と山族の関係性を描いた作品。

全体的に7~8点の高得点を付けた項目が多いですが感動、泣けるという項目が6点となっています。

本作では、疎開先で出会った子供たちが、海族と山族の関係に翻弄されながらも、何とかその宿命に抗い、人としての心を取り戻そうとしていく。

そんな人間的な部分を描いている作品で、これまで海族と山族の宿命に本能的に従ってしまっていた時代から、少し人間的な理性という部分が大きくなりだしていることに気付きました。

物語全体としては、人間的な部分を感じながら、その運命が次にどうなっていくのか、気になってしまって、どんどん読み進めることが出来る作品でした。



「コイコワレ」SNSでの反応!

SNSに投稿されている「コイコワレ」に関する投稿を見つけましたので掲載しています。

沢山の投稿がありましたが、その中から心に残った投稿を掲載させていただきました。

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