既存のルールの中で、自分の才能をなかなか発揮できていないという人に向けて書かれた作品。
時代の進行とともに私たちを取り巻く環境が大きく変わり
それに伴い様々な「ルール」も変わっていかなければならない。
それを批判する人もいるけれど、古いルールや価値観から抜け出し
自分の中に隠された才能を今のこの新しい時代の中で発揮する方法について
著者の経験も織り込みながら解説しています。
「天才の証明(中田敦彦)」を読んで
本書の著者はお笑いタレントでオリエンタルラジオの中田敦彦さんです。「武勇伝」や「PERFECT HUMAN」といったネタや音楽で幅広い活躍をされています。
最近私が中田さんの活躍を見たのは、中田敦彦さんのYoutubeチャンネルで中田さんが読まれた本を紹介・解説されているYoutube動画です。Youtubeではオリジナル性の高い手法で読まれた本を分かりやすく解説している動画を公開しています。
私もこうやって本の感想を書いていますので、本をどうやって紹介・解説すればいいのかという点で中田さんの、本の解説動画はよく参考にさせていただいています。
私が中田さんに対して持っているイメージは「頭がいい人」です。
アメトークというバラエティ番組に出演された時には、パワーポイントを使って勉強の仕方などを解説し、中田さんが実際に勉強していた勉強法などを聞いて、考え方が斬新ですごく頭が切れる人、自分で考えられる人なんだろうなとテレビを見ながら感じていました。
そんな中田さんが今回「天才の証明」という本を出版されたということで、その内容には、とても興味を持っていました。遂に購入し、読んでみました。
今のルールの中で我慢しなくていい!才能を開花させるために場所を変えてもいいのさ!
本書では、中田敦彦さんの経験から、彼が感じたことや、これまで考えてきたことを基にした、才能を開花させる方法について紹介されています。
すべての人間が自分にしかない才能を備えています。だから、自分なりの闘い方を見つけ、自分が評価される場所を探し続けていくべきです。
(P.5より)
本書で彼の考えの基盤として表現しているのは上の引用文に集約されています。
つまり、みんな何らかの才能を持っている、その才能が開花しないのは、自分には不向きな場所やルールの下でもがいているからであって、その場所を抜け出して「自分なり」という部分を大切にして頑張れば、その才能は開花し、そして評価されるということだと感じました。
これは、今頑張ってもがいているけど、なかなか成果が出ない、そして悩んでいる人たちにとっては、涙が出るほどうれしい考えであったのではないでしょうか。
うまく行かずに自分自身を信用できなくなっている人にとっては、もう一度自分自身を信じてみようと思えるでしょう。
うまくいかないのは自分だけが悪い、才能がないという訳ではない。
この考え方は、次への行動へのやる気を起こしてくれると感じました。
ここで勘違いしてほしくないのは、自分が悪くないから周りや環境のせいにしていいという訳ではないということ。
周りが悪いから何もしないのではなく、場所を変えて、自分の才能が発揮できる評価される場所で努力を重ねることで才能は開花するのだということを理解しておくべきです。
手段は目的ではない。分かっていない人が、意外と多いのではないでしょうか。
「夢を諦めるな」とは、目的を成し遂げることを諦めないことです。そして、目的達成のための方法は無限にあります。
(P.19より)
このように、目的を達成するということは諦めないために、無限にある方法の中から見つけ出しなさいということで、夢を諦めてしまっていいと言っているのではありません。
つまり、目的が何かを冷静に再検討して、それを達成するために場所や行動、思考を変えるべきであるということなのです。
自分自身の目的、到達点はどこなのかを常にしっかり確認しておくことが重要です。
頑張っていると、その場の雰囲気に流されて、その場の競争に巻き込まれて、本来の自分の目的、到達点が変わってしまっている、努力する方向が変わっているということに気付かなくなります。
その結果、頑張っても頑張っても自分の夢、本来の目的を達成することが出来ない、もしかしたら遠のいてしまっているという状態になっているのです。
本書では、そうならないために、今のルールや常識にとらわれずに、自分自身の目標を常にしっかり持ち、自分なりの思考をもって努力するが重要だとしています。
「天才の証明」はこんな方ににおススメ!
本書は、今頑張っているけど、何故かうまく行かない。
そして自分自身のことを信じることが出来なくなっている人に是非読んでいただきたい作品です。
もしかしたら、その努力や頑張りは間違っているかもしれないのです。
頑張る場所や思考を少し変えれば、もしかしたら驚くような結果をもたらすかもしれないのです。
本書を読んで、もう一度しっかりと、自分の目的や思考を見直すことで、何か違った方法や発想が見えてくるかもしれません。
今回本書を読んでいて、本書の考え方である「うまく行かなければ場所を変えて頑張ってみる」という考え方は、他のある本に似ていると感じました。
その本は陸上選手の為末大氏の「諦める力」という本です。
本書でも、諦めるということをネガティブに捉えるのではなく、場所を変えてみる、方法を変えてみるということは、自分の才能を発揮できる、活躍できる場所を探して頑張ろうという考えを伝えています。
この本でも、自分自身の目的、到達点をしっかりと意識して、努力する方法や環境を変えるということは逃げではないと言っています。
「天才の証明」と「諦める力」。
この2つの作品は、表現の仕方は違うけれども、頑張ったけどうまく行かないと悩んでいる人に是非読んでいただきたい作品です。
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