《読書感想》
◆月の満ち欠け◆
生まれ変わっても、あなたに逢いたい

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月の満ち欠け:佐藤正午
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月の満ち欠け

月の満ち欠け:佐藤正午
月の満ち欠け:佐藤正午

生まれ変わっても、あなたに逢いたい

月の満ち欠け:読書記録
月の満ち欠け:読書記録

『月の満ち欠け』について

本作は、第157回 直木賞を受賞した作品です。
生まれ変わり」、「永遠の愛」、「輪廻転生」をテーマにしたファンタジー要素もある切ない恋愛小説です。

ファンタジーとリアルな世界のバランスが上手く融合して、時間と人の運命的な出会いが交差する独特の世界観が特徴です。

『月の満ち欠け』あらすじ

妻と娘と共に円満に過ごしてた主人公。
ある日娘が高熱を出し、熱が引いた後に、小学生の娘は、これまでとは違う行動をするようになった。

そして妻と娘は、娘が高校生になったある日、突然の事故で亡くなってしまう。
悲しみに暮れる主人公の前に現れた一人の男性。

この男から聞かされたのは信じられない「生まれ変わり」の話。
信じられない主人公の周りで、次々と起こる、信じるしかないと思えるような出来事。

やがてこの「生まれ変わり」という現象に、主人公は心動かされていく。

著者 佐藤正午さんの情報

佐藤正午さんは、長崎県佐世保市出身の小説家で、1983年に『永遠の1/2』でデビューして以来、恋愛・ミステリー・青春・幻想など多彩なジャンルで活躍しています。

日常の中に潜む非日常や、人間の心理の綾を巧みに描く特徴があり。
どの作品も、読了後の心に深く残る余韻を持っています。

佐藤正午さんの代表作
  • 永遠の1/2(1984年)
    競輪を題材にした青春と幻想が交錯する物語。失業者の宏が奇妙な事件に巻き込まれる。
    第7回すばる文学賞
  • Y(1998年)
    奇妙な電話から始まる、記憶とアイデンティティをめぐる幻想的な物語。
  • 身の上話(2009年)
    書店員の女性の人生を描いた連作短編集。
  • 鳩の撃退法(2014年)
    作家が語る奇妙な物語が現実と交錯するメタフィクション。第6回山田風太郎賞。

『月の満ち欠け』の感想

月の満ち欠け』は、「生まれ変わっても愛する人に逢いたい」という切実な想いを軸に、輪廻転生をテーマにした数奇で切ない愛の物語です。
それでは『月の満ち欠け』を読んだ感想を書いていきます。

輪廻転生と「逢いたい気持ち」の強さ

主人公・瑠璃は、愛する三角哲彦に逢うために何度も生まれ変わる。そうです、この物語は輪廻転生がテーマです。

その逢いたいという想いは、30年にわたって複数の人物の人生を巻き込みながら続いていきます。
この逢いたいという想いの強さが起こす輪廻転生、それはまさに「月のように死んで、生まれ変わる」、この言葉が、物語全体の象徴となっていることがわかりました。

逢いたいという想いが、読んでいる間にも強く伝わってきます。

甘くない愛の物語

逢いたいという想いが強いことで起こる輪廻転生。
一見すると純愛のようでいて、実は不倫から始まる許されざる恋なんです。

瑠璃の執着とも言えるその想いは、周囲の人々を翻弄し、時に人を不幸に巻き込んでしまいます。
純愛とみればそうかもしれませんが、ちょっと見方を変えると、この愛の物語は許されない、そして本人しか幸せになれない物語でもあると思いました。

月の満ち欠けのような人生の儚さ

逢いたいという想いの強さが起こす輪廻転生、それはまさに「月のように死んで、生まれ変わる」。
月は満ちては欠ける。人の命もまた、満ちては失われ、時に再び光を宿す。

瑠璃の転生は、月のサイクルのように繰り返され、記憶と想いは次へと引き継がれていきます。

まさに命には期限があり、終わりがある。
しかし本物の想いには終わりがなく、永遠に続くものである。

それが心に沁みる作品でした。

『月の満ち欠け』の感想まとめ

時間や場所を越えて「」は「想い」は続いていく、生きているうちに想いを果たせず亡くなってしまう人、逢いたい人に会えずにその人生が終わってしまう人

出逢ったあなたに、忘れることの出来ないあの人に、時代を超えて想いを届ける、いつかきっと二人が結ばれるために

ファンタジー要素を持った純粋な恋愛物語。
想いは時代を超えてその人に届く、逢いたいという想いは必ずあなたの元に、相手の心に届く、たとえ姿は私じゃなくても、あなたの元に届く

タイトルの「月の満ち欠け」。
月が満ちて欠けるように、月の満ち欠けのように、生と死を繰り返す。
そうやっていつかあの人の元へ。。。

読んでいてその想いの切なさに胸が痛くなる作品。
前世の想いを現世へ、しかし現世でも想いを果たせなかったから、来世でも必ずその想いを届ける。

心のうちに秘め、言えない言葉もある。
いつかその言葉が言えずにいた言葉、想いが繋がる時が来る。
それが繋がった時に、きっとあなたはその愛と運命を信じることが出来る。

真実の愛を幻想で終わらせないために、登場人物たちがその想いを受け継いでいく。
その愛を消さないために。
その様子を描いき読者を離さない、著者の表現が光る名作。

何度も読みたくなる作品。
本当に生まれ変わりがあり、人の想いが続いているんじゃないかと優しく感じることが出来ました。

切ない思いもありながら、優しい気持ちに包まれる作品。

『月の満ち欠け』の分析・評価

月の満ち欠け:分析・評価
月の満ち欠け:分析・評価

『月の満ち欠け』はこんな人におすすめ!

  • 輪廻転生やスピリチュアルなテーマに興味がある人
  • 切ない恋愛小説を読みたい人
  • 人生の儚さや愛の永遠性について考えたい人
  • 映画版を観た後見る前に原作の深みを味わいたい人

『月の満ち欠け』SNSでの反応!

SNSに投稿されている「月の満ち欠け」に関する投稿を見つけましたので掲載しています。

沢山の投稿がありましたが、その中から心に残った投稿を掲載させていただきました。

Xでの反応!

Xでも「月の満ち欠け」に関するたくさんの投稿があります。
本書の魅力がよくわかります!

Inatagramでの反応!

Instagramでも多くの方が「月の満ち欠け」に関する感想を投稿しています。
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