新潮文庫

読書感想

《感想》 ◆ぎょらん◆
この珠は亡くなった人の思いかそれとも残された人の思いか

人が亡くなる最期のときに遺すと言われている「ぎょらん」と呼ばれる赤い珠。その珠を食べた者は亡くなる人の思いを知ることができる。その珠に込められた思いをしった時、その後の人生をどう生きるのか。珠に込められた思いは本当になくなっていく者の最期の言葉、思いなのか。
小説人生・人間ドラマ泣ける・感動読書感想
町田そのこ新潮文庫
読書感想

《感想》◆レインツリーの国◆
忘れられない本が繋げた恋、でも彼女は会えないと言った

ネットで偶然見つけた、昔好きだった本について書かれたブログ。そのブログに書かれた感想に共感し、コメントしてみた。そのコメントにまさかの返信。そして二人のやり取りが始まった。やがて二人は会うことになった。しかしそこで感じた、なんとも言えないすれ違いの感覚。二人がわかり合うために本気で本音で話し合う。ほんとうの優しさとは。深く考えさせられた作品!
読書感想小説恋愛人生・人間ドラマ泣ける・感動
有川浩新潮文庫
読書感想

《感想》◆ルビンの壺が割れた◆
ある日突然送られてきた覆面作家のデビュー作!

ある日、出版社に作品が送られてきた。これが新人覆面作家の誕生、そしてこの衝撃の作品の誕生となった!SNSを通じて再会した昔の恋人同士。メッセージのやり取りで思い出話を繰り返す。やがてこの話は予想外の方向へと流れていく、そして迎えたのは衝撃の結末!最後にこの展開になると予想できた読者は少ないでしょう!これがデビュー作かと感動の衝撃!
読書感想小説ミステリ―サスペンス
宿野かほる新潮文庫
読書感想

《感想》◆白いしるし◆
すぐに染まってしまう白、その白に儚さと強さを感じる

2023年新潮文庫の100冊の中の1作品!西加奈子先生の恋愛小説「白いしるし」。白という色が、この物語をただの恋愛小説ではなく、より人間的で深い物語へと色を変えている。読むほどに、その白という色が、白を強調しながらもいろいろな色を見せてくれる。不思議な感覚を持つ深い恋愛小説です!
読書感想小説恋愛人生・人間ドラマ
西加奈子新潮文庫
読書感想

《感想》◆世界でいちばん透きとおった物語◆
父の優しさを知ったときその本当の意味を体感する

父の優しさを知ったとき、タイトルの意味、そしてこの作品に隠された予想外の展開とその仕掛けに気付く。気付いた時の衝撃は、他の作品では味わえない!まさに体感型の小説!この衝撃を体感しよう!
読書感想小説ミステリ―人生・人間ドラマ
新潮文庫杉井光
読書感想

《感想》◆夜のピクニック◆
親友にも言えなかった同級生のアイツとの関係!

2005年本屋大賞受賞作品!「夜のピクニック」。多部未華子さん主演で映画化もされた青春小説!高校最後の大きなイベント「歩行祭」。そのイベントにはある決心をもって臨む学生がいた。親友にも言えなかった同じクラスメートとの関係。学生たちの脆くても強い初々しい心情を描く、あなたもきっと自分の青春を思い出す!青春感動小説!
読書感想小説青春
新潮文庫映画化本屋大賞恩田陸
読書感想

《感想》◆約束の海◆
山崎豊子先生の未完の遺作!父と子の約束の答えとは!

山崎豊子先生未完の遺作「約束の海」。この作品を読むのは2度目。先生の遺作ということもあり、簡単に読んで簡単に感想を書いて終わりということにはできませんでした。2回でも内容を深く知ることは出来ません。この作品は、未完ということもあり、先生が描いたラストはありません。だからこそ、何度も読み、そのラストを自分なりに描きます。
読書感想小説人生・人間ドラマ
新潮文庫山崎豊子
小説

《感想》◆盲目的な恋と友情◆
盲目的な恋と盲目的な友情、そこから生まれる歪みとは

人生を変えるような恋愛に夢中になる女性と、その女性を大切な友人、親友と思って接している女性。この二つの視点から描かれた、恋愛と友情の究極を描いた作品。この二つが大きくなった時に現れる歪みとズレに。最後の結末には思いの強さに恐怖を感じるかもしれません!
小説恋愛サスペンス読書感想
辻村深月新潮文庫
読書感想

《感想》◆殺人犯はそこにいる◆
衝撃のノンフィクション!この事実は知らなければならない!

女児を誘拐し殺害、ある男性が逮捕された。有罪が確定した男性は数年後に無実の冤罪被害者となる。釈放の様子をテレビで見た方も多いでしょう。この事件の裏には様々な真実が隠されていたのです。ジャーナリストの清水潔氏が少女たちの無念を晴らすために、執念でその小さな声に耳を傾け、そこにある真実を取り戻す!衝撃のノンフィクション!
読書感想ノンフィクション事件・事故
清水潔新潮文庫
読書感想

私の居場所は、こんなところにあったんだね。
【夜空に泳ぐチョコレートグラミー】

「52ヘルツのクジラ」で本屋大賞を受賞した町田そのこさん。その先生の名作「夜空に泳ぐチョコレートグラミー」を読みました。人がこの広い世界で生きていく事の難しさ、でもそこで生きていこうと前向きになる気持ちを持たせてくれる作品。本屋大賞受賞作家さんが送る登場人物の心理描写、そして人間関係のその表現が実に魅力的な作品です!
読書感想小説人生・人間ドラマ
町田そのこ新潮文庫
読書感想

暴力に支配された辛い記憶、それでも生に向かい、そして見た光
【土の中の子供】

幼い頃に大人による壮絶な暴力を受けた子供、その子供は大人になりながら、記憶の中にある、心に残る暴力の記憶と向き合いながら生きる。暴力を受けた若者の心を実に繊細に描く作品です。暴力がどれほど人の心を乱し、壊し、支配していくか、その中でも希望という光を見つける。深く考えさせられる作品です。
読書感想小説心情・思想
中村文則新潮文庫
読書感想

不器用な二人が演じるのは切ない恋の形「劇場」

演劇という背景で繰り広げられる、若い男女の切なくて深い、心の変化に揺れる恋愛を描いた作品。号泣ではなく、心にジンと染みてくる。その世界に入り込んでしまう作品です。あの時を思い出させてくれる恋愛小説。
読書感想小説恋愛
新潮文庫又吉直樹