不器用な二人が演じるのは切ない恋の形「劇場」

読書感想小説恋愛

「劇場」

劇場

追いかけやってきた東京で、二人は出会った
それが、切なく、そして忘れられない恋の始まり!



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本の基本情報
  • ジャンル:小説
  • 本の種類:文庫本
  • 著者名:又吉 直樹
  • 出版社:新潮社

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本の基本情報
  • ジャンル:小説
  • 本の種類:文庫本
  • 著者名:又吉 直樹
  • 出版社:新潮社

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「劇場」を読み終えて

本書は、あのお笑いコンビ「ピース」の又吉さんが著者の作品です。
又吉さんの作品は「火花」を読んだのが初めてでした。

今回、「劇場」という小説を読んでみて、改めて又吉さんが描き出す人間的な表現の魅力に引き込まれました。

「火花」でも、ちょっとした恋愛が内容の中にありましたが、本書は、演劇という背景の中での「恋愛小説」であり、恋愛という部分がメインとなっています。

恋愛がメインでありながら、演劇という背景が大きく恋愛に関係しており、その中で二人の男女の心の動きがとても分かりやすく表現されています。
目をつぶると、二人のやり取りがはっきりと見えてきます。

演劇という背景と恋愛

男は演劇というものに生活のほとんどをかけている。
しかし、その気持ちとは裏腹に、自分の演劇が世間に認められることはない。

女は、演劇に興味を持ちながらも、男の支えになることの方を生活の主軸にしてしまう。

演劇をしたいけど、思うように出来ない男の苛立ち。
そんな男の全てを受け入れ、黙って支える女。

演劇があったから二人は成立した、しかしその演劇が二人の関係にズレを生じさせる。

演劇と恋愛の微妙な関係。
演劇によって少しずつ変わっていく二人の関係が実にうまく表現されています。



変わらないから駄目、変わったらももっと駄目

男の演劇にかける生活を懸命に支えようとした女であったが、その生活に徐々に耐えられなくなっていく。

演劇が思い通りにならない男の苛立ちや不安。
その感情の変化に対してどうやって向き合っていいのか分からなくなっていく。

精神的に疲れ果てた女は男から離れることを選択する。

離れても連絡を取りあう男女。

二人は何故こうなってしまったのか。

距離をとった二人は、最後になぜこうなったのか、何が悪かったのかに気付いていく。

「劇場」を読んで!まとめ

二人が描く演劇という背景を持った恋愛。

二人が出会ったからこそ、こんなに人を大切に感じることが出来た。
人に頼れることが出来た。安心する事が出来た。

しかし、二人を取り巻く環境や年齢。
多くのことが変化していく中で、変わらないものと変わっていくもの。

そこに生じるバランスのズレ。

このズレとそれを修復しようとする人間の気持ちや表れる仕草など
誰もが感じたことのある、どうしていいか分からないという感情からの行動など。

二人の男女が最後に、なぜこうなったかを演劇を通して気付いていく。
そして、それは最後に、なぜこんな当たり前のことが出来なかったんだと気付く。

人間の心にある当たり前が分からなくなる状況。
誰もが感じる感情や環境の変化をとても細かい表現で表している作品です。

心にジンとしみる恋愛小説でした。

劇場

追いかけやってきた東京で、二人は出会った
それが、切なく、そして忘れられない恋の始まり!



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  • ジャンル:小説
  • 本の種類:文庫本
  • 著者名:又吉 直樹
  • 出版社:新潮社

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本の基本情報
  • ジャンル:小説
  • 本の種類:文庫本
  • 著者名:又吉 直樹
  • 出版社:新潮社

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