《感想》◆殺人犯はそこにいる◆
衝撃のノンフィクション!この事実は知らなければならない!

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「殺人犯はそこにいる」

殺人犯はそこにいる_清水潔
殺人犯はそこにいる_清水潔

「ごめんなさいが言えなくてどうするの」

「殺人犯はそこにいる」について

本作品は、日本のジャーナリストである、清水 潔氏によって書かれたノンフィクション作品です。

この作品は出版された当時とても話題となった本です。

ノンフィクション作品ということで、この作品には何が書かれているのか
それは、冤罪となった「足利事件」について、その真相を清水潔さん自身が行動してつきとめていくいくという内容です。

足利事件とは、栃木県のあるパチンコ店で女児が行方不明となり
翌朝に近くの河川敷で遺体となって発見された殺人・死体遺棄事件です。

この事件である人物が逮捕されます。
しかし、皆さんもテレビなどで見たことがあると思いますが、逮捕された人物はその後、事件とは無関係だったとして釈放されています。

この作品では足利事件での女児誘拐殺人事件のほかにも
その周辺で起きた女児を誘拐・殺害した4つの事件も同一犯の犯行ではないかという点に迫り、その真相をつきとめていきます。

何が大切なのか。この事実は知っておくべき!

この作品は読み始めると、止めることが出来なくなるほど、衝撃の内容でした。

何の罪もない少女たちが誘拐され、そして殺害された。

そのうちの1つの事件。
栃木県足利市で起きた「足利事件」の被疑者として1人の男性を逮捕します。

先程も書きましたが、この男性はその後、この清水潔さんを含めた多くの方の力で冤罪が認められ釈放されることとなりました。

警察の捜査や証拠として取り上げられたDNA型鑑定の結果やその鑑定方法のずさんさ
そして検察のなんとも理解しがたい有罪という結果ありきの証拠の採用など

警察や検察、科警研、裁判所など、多くの「正義を持っているとされる人間」が関わっているはずなのに
その正義は何を守るためにあるの?と問いたくなります。

彼らは何を守るために、何のためにその仕事をしているのか。

何のための捜査をするのか、何のためにDNA鑑定をするのか
何のために裁判をするのか

それは「犯罪をなくすため」、「国民を守るため」、「真犯人を捕まえるため」ではないのでしょうか。

正義の味方であるべき、そうであって欲しい人たちの
保身のための言動に、その組織のあり方に疑問と怒り、悲しみを感じました。

間違ったことをしてしまった。
間違いはどんな人間にもあります。

作品中にある言葉「ごめんなさいが言えなくてどうするの」
この言葉は、被害者や冤罪で逮捕された方の複雑な心の中の思いを実にまっすぐに表現した言葉であったと感じました。

みんな小さなころから、幼稚園でも習うこと。
悪いことをしたらちゃんと謝る、間違ったらちゃんと謝る。

こんな簡単で優しいことが忘れられている。忘れてしまっているのです。
それが出来ない組織が出来上がってしまっているのです。

子供たちに、悪いことをしたらちゃんと謝りなさい、間違ったらちゃんと謝りまさいと教えている大人が、それが出来ない組織を作っているのです。
子供たちが、正義の味方だと憧れる仕事をしている人たちが・・・

奪われた命、奪われた時間。
正義の味方たちは何が大切なのかをもう一度考えて欲しいと願わずにはいられませんでした。

そう願いながらも、今でもこういう理解しがたいことが実際に起きているのだという事実。
このことも、私たちは知っておくべきだと強く感じました。



「殺人犯はそこにいる」を読んで!まとめ

本作品は、読んでみて衝撃を感じた作品でした。
冤罪で逮捕されていた男性が釈放される様子は、テレビで見ていました。

しかし、そこにこんな事実があったとは知りませんでした。

作品中でも言われています。
報道される内容が、私たちの目に、耳に届くときに、どれほど印象操作されているものなのかと驚きました。
報道をする人は、それが多くの人の目に触れることを望んで、誰もが興味を持つような言葉で、その見出しを書きます。

しかし、それが事実とは違う印象を持たれるような書き方はプロの仕事ではないと感じました。

そしてその報道を見ている私自身も、何の根拠もなくその言葉を鵜吞みにしてはいけないと思いました。

真実を行動で追い求めた、本作品の著者である清水潔さんのような方がいたから
決して表に出ることのない真実が次々と明らかになったのだと思います。

本作品で明かされている真実。
本当に衝撃のものでした。

  • 真実を捻じ曲げようとする大きな圧力
  • プロとは言えない仕事をしている人たち
  • 保身しか考えていない人たち

これらに「怒り」を感じました。

決して忘れてはいけない命を奪われた方たちの無念。
被害者家族の方たちの悔しさ、寂しさ、怒り。
本来最も大切にされなければいけないことが、捜査や裁判が進んでいくうちにほったらかされていると感じました。

真犯人を捕まえれば、誰かの顔をつぶすことになる。
ここで間違いを認めれば大変なことになるから出来ない、今更犯人じゃないなんてダメだ!
だから違うストーリーを作り出し、犯人を作り出せばいい。
ストーリーに沿わない証拠は採用しない。

この感覚にとてつもない怒りを覚えました。
こんなことが知らないところで実際に起こっている、まかり通っているということに恐怖を感じました。

正義の味方たちは、その結果、真犯人は捕まっていないという事態が今もなお続いているということを理解しているのか。
被害者、そしてその家族は、それでは報われないと分かっているのか。
それが、次の犠牲者を生むということが分かっているのか。

間違いは許されない仕事であるということは理解できる。
間違えていましたと簡単には言えない厳しさはある、許されない大変な事態になるかもしれない。
しかし、だからその間違いを隠すことが許されるのか、それは絶対にあり得ない。

何がもっとも優先されて、大切なことなのかを忘れないで欲しい。
命を奪われた方たちの無念。それを絶対に忘れないで欲しい。

誰もが憧れる、正義の味方であって欲しい。
小さな声に耳を傾けてくれるそんな正義の味方であって欲しい。

「ごめんなさいが言えなくてどうするの」
この言葉に込められた、怒り、悔しさ、悲しさ、強さ、優しさ。
この言葉を読んだ時に、その深さが色々な感情が重なった状態で私の心にグッと入ってきて・・・

言葉でどう表現していいか分からない状態になりました。

この作品は多くの方に読まれるべきだと強く感じました。

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ご興味のある方は是非ご覧になってください。
このノンフィクション作品の衝撃が伝わります。

 

 
 
 
 
 
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