
誰よりも強く抱きしめて

一緒に空を知ること、それが本当の愛になる

『誰よりも強く抱きしめて』について
本作は、映画化もされてる新堂冬樹先生の小説。
強迫性障害、その中でも潔癖症を抱える夫。
触れ合いたいのに触れることが出来ない、そんな切なすぎる純愛を描いた物語。
AmazonのPrimeVideoで見放題独占配信が開始されています。(2025年7月時点)
『誰よりも強く抱きしめて』あらすじ
強迫性障害(特に潔癖症)を抱える絵本作家の夫と、その妻との愛情を描いた物語。
結婚した夫が、潔癖症となり、最愛の妻にさえ触れることが出来なくなった。
愛しているのに、触れることが出来ない。
妻にだけでなく、あらゆるものに触れることが出来ない。
妻に触れることが出来ない夫自身も悩み、そしてやがて夫は、似た症状を持つ女性と出会い、妻は魅力的な男性に出会う。
2人の関係に少しずつ気持ちのズレと迷いが現れてくる。
お互いの気持ちが分かっているはずなのに。。。そうすることが出来ない。
確かめることが出来ない。
二人が出した愛の形とは。
著者 新堂冬樹さんの情報
新堂冬樹さんは、作家活動だけでなく、映画監督、芸能プロモーターなどの仕事もしています。
作風としては裏社会や欲望を描いたものと、純愛や動物との絆を描くなど両面の魅力をもった作家さんで、闇金融の実体験を活かしたリアルな描写と、対極的な純文学的作品の両立を見事にこなされています。
多才なかたですね!
新堂冬樹さんの代表作
- 血塗られた神話(1998年)
闇社会を舞台にしたバイオレンス小説。新堂冬樹さんの原点(デビュー作)。第7回メフィスト賞。 - 忘れ雪(2003年)
子犬を通して出会った男女の純愛物語。「白新堂」の代表作。映画化もされた。 - 悪の華シリーズ
マフィアの血を引く主人公の復讐劇。暴力団との抗争を描くハードボイルド。 - 犯人は、あなたです(2019年)
国民的アニメの家族をモデルにしたブラックユーモア作品。
『誰よりも強く抱きしめて』の感想
『誰よりも強く抱きしめて』は、強迫性障害(潔癖症)という繊細なテーマを軸に、大切な人に触れたいのに触れられないという切なすぎる純愛を描いた感動作です。
それでは感想をまとめていきます。
愛しているのに触れられないという葛藤
主人公の夫は潔癖症を患い、最愛の妻にすら触れることができない。
「抱きしめたいのに、触れられない」という矛盾。
夫自身が妻に触れたいのに触れることができない。自分の中にある矛盾、その矛盾によって起こる夫婦間の気持ちのすれ違い。
触れようとしても、体が拒絶してしまう。
その姿を妻に見せたくない、お互いに気持ちはあるのに、どうすることもできない。
触れ合うことが愛の証だと信じていた妻との関係に、少しずつズレが生じていく。
このなんとも言えないもどかしさや切なさが、読みながらどんどん心に突き刺さってくる感じでした。
心の居場所を求める二人
お互い気持ちはありながらも、触れ合うことが出来ない。
すれ違いによって心に空いてしまった空間。
それを埋めるように、夫は同じ症状を持つ女性と出会い、妻は魅力的な男性と心を通わせるようになってしまう。
お互いを大切だと思っているはずなのに、どうしても消すことが出来ない寂しさと、お互いを認めて欲しいと思う欲求。
その結果、それぞれが「自分を理解してくれる存在」に惹かれていってしまう。その過程を読んでいてとても切ない気持ちになった。
愛とは何なのか、絆とは何なのかを深く考えさせられます。
タイトルの意味の深さ
この作品を読み終えて、「誰よりも強く抱きしめて」というタイトルは、物理的な接触だけでなく、心のつながりを象徴する言葉だったと強く思いました。
お互いを大切に思い、気持ちはあるはずなのに、触れることが出来ない。
二人はやがて、触れられないからこそ、心で抱きしめるという愛の形があるんだということに気付きだす。
二人が出した最後の答えに、読みながら深く心を包む優しさを感じ、感動することができた。
『誰よりも強く抱きしめて』の感想まとめ
強迫性障害、潔癖症という症状を抱えた夫。
愛しているのに、妻に触れることが出来ないという、複雑な夫婦関係について、その心情の表現や生活が詳細に描かれていた。
ちょっと人とは違う症状を持っている人が抱えている悩み。
理解して欲しい訳じゃない、気を使って生きることに疲れることもある。
気持ちを分かり合える人に出会った時、自分の気持ちを、行動を言い訳しなくて済む。
そこにいることで自分の相手も楽になれる。
愛しているはずなのに触れることが出来ない。。。
この切なすぎる気持ちを持ちながら
それを理解してもらえない、していても受け入れてもらえない。
離れたくないのに、誰よりも強く抱きしめたいはずなのに。。。
その切なすぎる心情が、伝わってきて、涙が溢れる場面も。
切なくも温かく、人間たちのドラマがあり、純愛物語としても人間ドラマとしても楽しめる作品。
「誰よりも強く抱きしめたい」
このタイトルの深さが心に深く感じられる作品でした。

愛していても触れることが出来ない。分かっているはずなのに。
切なすぎる恋愛・純愛物語でした。
『誰よりも強く抱きしめて』の分析・評価

『誰よりも強く抱きしめて』はこんな人におすすめ!
『誰よりも強く抱きしめて』SNSでの反応!
SNSに投稿されている「誰よりも強く抱きしめて」に関する投稿を見つけましたので掲載しています。
沢山の投稿がありましたが、その中から心に残った投稿を掲載させていただきました。
Xでの反応!
Xでも「誰よりも強く抱きしめて」に関するたくさんの投稿があります。
本書の魅力がよくわかります!
映画「誰よりも強く抱きしめて」座席予約完了!初日に観に行きます。
— Leon 📦🦁 (@BESTY_MOOT) February 5, 2025
小説版を先に読むか、まだ悩み中…#三山凌輝 https://t.co/OZA8DublhO pic.twitter.com/mpijFJAqx5
新堂冬樹さんの同名恋愛小説を内田英治監督が映画化した本作は、強迫性障害による潔癖症で同棲する恋人にも手すら触れることが出来ない主人公を通し、身体と心の葛藤を抱え、愛情を伝えることがままならない者たちの純愛物語を描く。#誰よりもつよく抱きしめて pic.twitter.com/n5kyqFhhTb
— 矢口晶一 (@tamagawajyousui) February 11, 2025
Inatagramでの反応!
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