「ひと」
「ひと」のあたたかさは
いつも背中を押してくれる
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「ひと」を読んで
本書は、2019年の本屋大賞第2位の作品です。
本屋大賞入賞作品は、個人的にすごく期待して読み始めます。
この作品はタイトル、表紙ともにとても興味を持ち、当然かなり読み始める前の期待は高いものでした。
著者の小野寺史宜さんの作品を読むのは、本作品が初めてで、どんな言葉の表現が出てくるのか、そういった部分も興味を持っていました。
「ひと」の存在って、そのあたたかさって
本書はタイトルにもあるように、まさに「ひと」について書かれた作品です。
主人公は、親を亡くすというつらい経験をした、たった一人になってしまった若者。
彼はある町で、とても貴重な出会いをします。
その出会いは、少し不思議な流れで始まり、彼の人生の流れをとても穏やかで温かい流れへと導いていきます。
たった一人だったはずの若者が、その出会いをきっかけに、少しずつ一人ではないのだと感じるようになっていきます。
若者の身近に居るようになった「ひと」が
普通にある日常の中で、普通の生活をしながら、改めて「ひと」との関わり、その大切さ、あたたかさに気付いていきます。
若者を取り巻くごく普通の生活が、徐々に若者の人生を前向きなものへと導き、若者も人生を精一杯生きていこうと思うようになっていく。
まさに本作品は、昔から当たり前にあったはずなのに、忘れてしまっていた「ひと」というもののあたたかさを描いていると感じました。
「ひと」を読んで!まとめ
本作品は、「ひと」というものに焦点をあてて、一人の若者の人生に対する生き方の変化を描いています。
主人公が、割とのんびりした雰囲気を醸し出しているせいもあって、全体的な物語の進行や人の感情の変化が比較的ゆっくりだと感じました。
舞台となっている町の雰囲気や人との会話などが何となくゆっくりと穏やかに感じられ、全体的に「優しさ」に包まれた作品だと思いました。
主人公は町の人たちと偶然出会い、その出会いがやがて主人公である若者の人生を大きく前に進めてくれる。
些細な出会いであったはずなのに、それがこんなに良い縁になる。
人生とは本当に不思議なものだと
「ひと」とは、人間関係とは、本当に不思議で深いものだと感じました。
辛い経験をした主人公である若者が、学生から社会へ出るという人生の大きな変化の時に、出会った人たちのあたたかさに包まれて、少しずつ前を向いていく様子を優しい表現で描いた感動作でした。
何か人生で迷い、辛いと感じているときに読んでほしい1冊でした。
「ひと」のあたたかさは
いつも背中を押してくれる
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