《感想》◆線は、僕を描く◆
水墨画の美しさが見えるよう描くことで自分を解き放つ人間ドラマ

読書感想小説青春人生・人間ドラマ

「線は、僕を描く」

線は、僕を描く:砥上裕將
線は、僕を描く:砥上裕將

水墨画に魅せられた人たちの熱い生き方を描く!

線は、僕を描く:砥上裕將
線は、僕を描く:読書記録
線は、僕を描く:読書記録

「線は、僕を描く」のあらすじ

両親を事故で失った大学生の青年がこの物語の主人公。

彼はアルバイトのつもりで行った展覧会の会場で、ある老人と知り合うことになります。知り合ったその老人は誰もが知る、水墨画の巨匠だったのです。

主人公の青年は、展示されている水墨画の感想を巨匠に聞かれ、思ったことを答えたところ、なぜかその巨匠に気に入られ、水墨画の世界へと誘われ、巨匠の弟子として水墨画の技術を学んでいくことになります。

両親を失い、孤独を感じ、寂しさから喪失感の中に閉じこもり今まで生きてきた青年が、水墨画という奥の深い世界に魅了されていきながら、自分自身を見つめ直していきます。

巨匠に才能を期待され、弟子として招かれた青年は、巨匠から水墨画を教わっている、巨匠の孫娘と水墨画の大きな賞を賭けて競争することになります。彼の才能に気付き始める巨匠の孫娘。ますます水墨画の魅力に嵌っていく青年。

ライバルである二人が、お互いのことを理解しあっていくうちに、惹かれあっていることに気づきます。同じ水墨画に向き合ったことで、共感し合える部分を持ったいいライバルでもある二人は、やがて賞を取るために、自分自身の技や表現力を注いだ作品を仕上げていきます。

水墨画という世界に魅了された者たちの生き方に感動させられる作品!

2020年本屋大賞で見事第3位に輝いた人気の作品で、映画化も決定しています。

「線は、僕を描く」を読んで

水墨画という普段あまり触れることのない世界を題材にした作品で、難しい作品なのかなと思いながら読み始めました。

しかし、その心配は徐々になくなっていきました。
水墨画を知らない人でも、その魅力を感じることができる。とてもわかりやすい作品でした。

水墨画を描く様子や、その作品の出来栄えなど、読者に文章でイメージさせる著者の文章力がとても光っていました。作品を見ているかのように、文章からそのイメージを掴むことができました。著者の文章力・表現力に感動です。

水墨画の世界で、たった一本の線を描くだけでも、その奥深さ、難しさがある。
主人公がその線を描くために練習して、水墨画の奥深さや本質を掴もうと、いろいろと悩み、考え抜こうとする様子がすごく伝わってきて、引き込まれた作品でした。

水墨画と自分自身の人生、これまでの生き方を考え、喪失感によって自分の内側にこもってきた主人公。しかし、その内側こそ、水墨画の本質を掴むために必要な部分であったことに気づきます。

自分自身の内側にこもった生き方にさらに悩んでいた青年にとって、水墨画と出会ったことで、その生き方が無駄ではなかった、そしてそこから外側につながっていくことを理解したとき、その感動は大きいものだったと思いました。

一つのことを極める、知るということの難しさ、物の見方など、色々なことを考えさせられる作品であり、必死で前を向こうと悩みながらも生きていく登場人物たちの姿に、応援したくなる、そして前を向こうと思える名作です。

本屋大賞で3位を獲得したということも頷ける作品です。

読旅の分析・評価

線は、僕を描く:分析評価
線は、僕を描く:分析評価

今回この作品の分析評価として総合評価80点となりました。

水墨画という世界を扱っているストーリで、興味が湧いたこともあり、多くの学びがあったので、この2つは9点と高評価になっています。

それ以外では8点とどれも高評価。
意外性・ドキドキというよりも、じっくりと考えさせられる、心に沁みる作品だったので、この項目だけが6点と中間の評価にしています。

全体的にバランスのいい形になっている、そして総合で80点。いい作品と言えます!



「僕は、線を描く」SNSでの反応!

SNSに投稿されている「僕は、線を描く」に関する投稿を見つけましたので掲載しています。

沢山の投稿がありましたが、その中から心に残った投稿を掲載させていただきました。

Twitterでの反応!

ツイッターでも「僕は、線を描く」に関するたくさんの投稿があります。
本書の魅力がよくわかります!

Instagramでの反応!

Instagramでも多くの方が「僕は、線を描く」について読了後の感想を投稿されています。
画像とともに、深い感想を投稿されています。ご興味のある方は是非ご覧になってください。

今回当ブログで紹介させていただくことを許可していただきありがとうございました。
Chieri」さん、「treetop_book」さん!
今後も投稿楽しみに拝見させていただきます。

「線は、僕を描く」を読んでみたくなったらコチラ!

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