ピースの又吉直樹さんが「火花」という作品で第153回芥川賞を受賞したことは当時大きな話題となりました。
ピースの又吉さんも当時多くのメディアに出演されて、お笑い芸人の又吉さんというよりも、芥川賞受賞作家の又吉先生と言われとても有名になりました。
それと同時に、本や読書にあまり興味がなかった人でも「芥川賞って何?そんなに凄い賞なの?」と思ったでしょう。
又吉さんと同時に芥川賞という名前も多くのメディアに出るようになり、「芥川賞」自体も大変注目されるようになりました。
最近では(2021年6月時点)、第164回芥川賞として本ブログでも読書感想文をアップしている「推し、燃ゆ」著者:宇佐見りんさんが受賞しています。
そして第165回(2021年度上半期)の芥川賞ノミネート作品として
- 「貝に続く場所にて」石沢麻衣 講談社
- 「氷柱の声 」くどうれいん 講談社
- 「水たまりで息をする」 高瀬隼子 集英社
- 「オーバーヒート」 千葉雅也 新潮社
- 「彼岸花が咲く島」 李琴峰 文藝春秋
上記の作品が選ばれています。
ますます芥川賞って一体どんな本なのか気になりますね。
それでは、芥川賞とは一体どんな賞なのかについて、解説していきます。
芥川賞って一体どんな賞なの!
それでは早速「芥川賞」という賞が一体どんな賞なのかについて解説していきましょう!
出来るだけわかりやすく書いていきますので、芥川賞について知りたい、興味がある方は是非読んでみてください!
最後にはこれまでに芥川賞を受賞した作品も紹介していきますので、芥川賞というものを知り、その賞を受賞した作品を読んでみたいと感じた方は、是非過去の受賞作品を見てみてください。
きっとあなたの心に残る1冊が見るかるはずです。
芥川賞とは!
芥川賞とは!というこのページを訪れた方たちがまず一番最初に思っていることに簡単に答えましょう。
芥川賞の正式名称!
芥川という言葉が付いていることで、その正式名称にはある程度予想がついているかもしれません。
芥川賞とは、正式には「芥川龍之介賞」と言います!
やっぱりね!と思った方も多いでしょう。
芥川龍之介と言えば、小中学校の頃に国語の時間に聞いたことがある名前でしょう。
芥川龍之介は、日本を代表する純文学作家で、有名な作品としては、「羅生門」、「蜘蛛の糸」などで国語の教科書に載っていて知っているという人も多いでしょう。
芥川賞の正式名称はある程度予想通りという感じでしたね。
芥川賞ってどんな賞?
それでは芥川賞は一体どんな賞なのかについて書いていきます。
芥川賞とは、優れた純文学を書いた新人に与えられる文学賞です。
文藝春秋社社長の菊池寛氏が友人である芥川龍之介の業績を記念して1935年に直木三十五賞(直木賞)とともに創設した賞です。
そしてこの芥川賞は直木賞とともに、年に2回受賞作品を発表します。
この直木賞の創設当初は文藝春秋社が運営していましたが、第6回からは、財団法人日本文学振興会によって運営されています。
ここでちょっと調べて気付いたことを書いてみましょう。
財団法人日本文学振興会によって運営され始めたのは第6回(ウィキペディアでは第6回と記載)と書きましたが、実は第6回の芥川受賞年は財団法人日本文学振興会のホームページの過去の受賞作品というところに「1937年下半期」と書かれています。
そしてこの日本文学振興会の設立年月日は1938年7月2日とこれまたホームページに記載されています。
この不思議で色々調べると、第7回からこの日本文学振興会が受け継いでいるという情報も違うサイトに記載されていました。
どちらが正式なものなのかは、現在更に調べています。
話を戻します。
芥川賞の発表は、第二次世界大戦中の1945年から一時的に発表は中断されていましたが、1949年に発表が再開され現在に至っています。
芥川龍之介ってどんな人?
芥川賞という文学賞の芥川龍之介とは一体どんな人物だったのでしょう。
小中学校では、芥川龍之介の作品については学びましたが、この人物についてはあまり詳しく授業では解説しなかったと思います。
芥川龍之介氏は、本名は同じで、日本を代表する小説家、多くの短篇小説を書いています。
その作品は学校の教科書に掲載されるほどで、子供達でも学ぶことが出来る作品も多く書いています。
先程も書きましたが短編小説が多く、彼が書いた作品では初期のことを晩年とでは特徴がかなり変わってきていると言われていました。
有名な「羅生門」は初期の頃に書かれた作品で、人間の内面的な部分を描き出した作品が多いとされています。
晩年では自分の人生を見直したり、生死に関することについて書かれた作品が多く、晩年の作品の方を高く評価する方も多いです。
晩年は、患っていた精神障害がその作品にも現れるようになりました。
そして、彼は「自殺」という手段で人生を閉じてしまっています。
芥川賞はどんな作品が選ばれるの?
芥川賞がどんな賞であるかは、分かりましたね。
結構歴史もある文学賞なんだな~ということもよくわかりましたね。
それではこの芥川賞って一体どんな作品が選ばれているのかについて、その傾向についてまとめてみましょう。
芥川賞に選ばれる作品の傾向
芥川賞は、新人作家による短編・中編の作品が対象で選考委員によって受賞作が選ばれます。
芥川賞は、新進作家による純文学の中・短編作品のなかから選ばれます。
公益財団法人日本文学振興会HP「よくある質問」より
ということで、やはり芥川賞は上記のような作品が選ばれやすいという傾向にあるのは間違いないようです。
いつも同時に発表される「直木賞」との違いとは?
ここでは芥川賞に注目して解説していますが、芥川賞が発表される様子をテレビなどで見ていると、必ず直木賞も同時に発表されています。
この2つの賞は選考方法などは同じで、発表される日も同じなので、同時に発表されています。
まぁ何かが違うんだろうなぁくらいの気持ちで見ているでしょう。
そこで直木賞と芥川賞の違いを簡単に解説しましょう。
芥川賞・直木賞の違いは選考基準になります。
選ばれる本の条件に違いがあるのです。
公益財団法人の日本文学振興会のホームページにその違いが書かれていますので引用しておきます。
芥川賞は、雑誌(同人雑誌を含む)に発表された、新進作家による純文学の中・短編作品のなかから選ばれます。直木賞は、新進・中堅作家によるエンターテインメント作品の単行本(長編小説もしくは短編集)が対象です。
公益財団法人の日本文学振興会のホームページ「よくあるご質問」
芥川賞は新人作家さんの純文学の中・短編作品
直木賞は新人、中堅作家さんのエンターテインメント作品の長編小説もしくは短編集の単行本
選ばれる作品の条件の設定が違っているのですね。
芥川賞が選ばれ発表される時期
次は、芥川賞が選ばれて発表される時期について書いていきます。
芥川賞は直木賞と共に、上半期と下半期の年に2回発表が行われます。
前年の12月から5月までに刊行された雑誌・書籍が上半期の対象。
6月から11月までに刊行された雑誌。書籍が下半期の対象となり、その中から選ばれます。
芥川賞の受賞作品は「文藝春秋」に全文が掲載されて読むことが出来ます。
上半期は9月号、下半期は3月号に掲載されます。受賞発表号では、選考委員の選評も掲載されますので、なかなか濃い読み物になっています。
芥川賞の選考方法
芥川賞作品はどうやって選ばれるのでしょう。
まずは芥川賞に選ばれる候補作品ですが、日本文学振興会に委託される形で、文藝春秋社の社員が20名、選考スタッフとして選ばれます。
この20名のスタッフが前項の上半期・下半期の対象期間に発表された対象作品の中から〇、×、△による採点を行い、数回開催される会議によって作品を絞り込みます。
こうやって選ばれた候補作品を、7月と1月に行われる選考会にかけて選考員会において、選考委員たちの討議によって決定します。
ちょっとここで気になってしまったことがあります。
それは直木賞候補作を選ぶ選考スタッフが、文藝春秋の社員20名ということです。
こうなってしまうと、どうしても文藝春秋に関係する作品が候補作として選ばれる傾向が強くなってしまうのではないかと思ってしまいました。
最終的に受賞する作品が文藝春秋に関係している作品だけではないという事実があるので、それほど偏る心配はないとは思いますが、候補作品に選ばれる作品の中にどうしても文藝春秋に関係する作品が入るという傾向はあるようです。
芥川賞作品選考委員って?
直木賞受賞作品を最終的に決定する「芥川賞選考委員」。
この委員のメンバーについて、書いていきます。
最終的には一体どんな人たちが芥川賞を決定しているのでしょう。
この選考委員のメンバーは実は作家さんたちが担っているのです。
現在(2021年6月時点)の選考委員のメンバーは次の作家さんたちです!
- 川上弘美
- 奥泉光
- 松浦寿輝
- 島田雅彦
- 小川洋子
- 山田詠美
- 平野啓一郎
- 堀江敏幸
- 吉田修一
すごいメンバー作家さんたちが選考委員をされているのですね。
先程、候補作品としては文藝春秋の作品が入りやすいのかもしれないと書きましたが、このメンバーが最終的に決定していると知ると、芥川賞受賞作品の重みというものをより感じますね。
この選考委員のメンバーは色々な人が過去に選ばれていたようで、過去には川端康成氏、三島由紀夫氏など、この他にも多くの有名作家さんたちが選考委員として在任されていたようです。
芥川賞について!まとめ!
ここまで芥川賞について書いてきました。
芥川賞のこと、少しでもわかっていただけたと思います。
私が感じたことですが、芥川賞を受賞できるって、つまり同業の作家さんたちに高く評価されたという作品というになると感じました。
つまりプロの目から見ても面白い、いい作品と言える作品ということですね。
色々な文学賞があって、この芥川賞に選ばれた作品を読んでみたこともありますが、私の印象としては面白いけど、少し難しい作品が選ばれるという傾向にあるように感じています。
その理由として、芥川賞は最終的に決定している選考委員として本格的な作家さんたちの存在があるからだと思いました。
プロの人たち、文章を読んだり書いたりすることのプロの方たちが選んだ本だから、少し難しい本格的な小説が選ばれるのだと感じました。
難しい本が受賞していると感じている一方で、確実に内容の濃い面白い作品が選ばれているということも感じています。
確かに好き嫌いはあるとは思いますが、それはどの文学賞に選ばれた作品にも言えることです。
芥川賞というこの歴史も長く、信頼されている文学賞。
この賞を受賞できるということは、作家さんたちにとっても、同業の作家さんたちに認められたという大きな自信につながるのではと感じました。
今後もこの芥川賞受賞作品からは目が離せないと思います!
直木賞受賞作品紹介!
【第164回受賞作品】推し、燃ゆ | 【第163回受賞作品】首里の馬 | 【第163回受賞作品】破局 |
【第162回受賞作品】背高泡立草 | 【第161回受賞作品】むらさきのスカートの女 | 【第160回受賞作品】ニムロッド (講談社文庫) |
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