世界中の恋が終わっても、この恋は続く。「最後の恋」

読書感想小説恋愛

「最後の恋」

最後の恋

どんなに言葉を交わしても
分かり合えない時がある



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本の基本情報
  • ジャンル:小説・恋愛
  • 本の種類:文庫本
  • 著者名:北川 悦吏子
  • 出版社:角川文庫

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本の基本情報
  • ジャンル:小説・恋愛
  • 本の種類:文庫本
  • 著者名:北川 悦吏子
  • 出版社:角川文庫

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「最後の恋」を読んで

本書のタイトルからも分かるように、恋愛のストーリーです。
病気の弟を持つ女と、医者のタマゴである医学生の男の恋愛ストーリーになっています。

両親がいない女はたった1人の弟を何よりも大切に思っています。
この思いが、二人の恋を複雑なものにしてしまいます。

二人の膨らむ愛が、少しのズレを修正出来ないまま進んでいきます。
そしてやがてそのズレが二人を疲れさせ、想いとは違う方向へと向かわせます。

日常でも起こる、人間関係に巻き込まれた二人の恋が、やがて二人の成長と共にたどり着いた形とは。

家庭環境のコンプレックス

病気の弟と姉の二人姉弟は幼い頃に両親が蒸発し、孤児院で育ちます。
一方、医大生の男は普通の家庭に育ち、普通の大学生活を送っています。

この家庭環境の違いから、二人の考え方や言われた言葉の解釈の違いなどが生じ、それによるすれ違いが二人の恋を遠回りさせてしまいます。

しかし、その違いは二人を引き寄せた理由でもあります。
弟を守るために一生懸命に二人の姉弟で生きようとする姿に男は魅かれていくのです。

何故か分からないけど、その人に魅かれる。
そんなもどかしさやドキドキする二人の感情がよく伝わります。



大切な人を助けるために

姉は、病気の弟の手術代を稼ぐために、本意ではない行動を起こしてしまいます。
親がいない、頼ることを、甘えることを知らない女が、自分で大金を稼ぐ方法を考え抜いてたどり着いた行動。

その行動が、本意ではなかったその行動が、二人の愛の間に大きな障害となってきます。
その時はそうするしかなかった、その方法しか思い浮かばなかった・・・

しかし、消すことが出来ない過去・・・
それでもその過去を乗り越えようとする二人に、周りの人間達は様々な非難の目を向けます。

それでも諦めないと取り繕っていた二人だが、徐々にその過去に負い目を感じる女と、女をその過去から守りたいと思う男。
二人の関係にもすれ違いが生じてきます。

悲しい出来事が二人を襲う

二人が、二人の愛を感じ合い、最高の安心感を手に入れたと思った矢先。
悲しい出来事がきっかけで、二人の距離がまた少し広がってしまいます。

その悲しい出来事から、どうしても恋愛という幸せな感情を素直に感じられない。

二人は距離を置き、その感情を抑えながら、またその感情をそれぞれが確かめてみる。
やがて、悲しい出来事は二人の距離をまた近付けるきっかけとなります。

「最後の恋」を読んで!まとめ

本書は、恋愛小説です。
しかし、その恋愛は、恋愛中の男女の心のすれ違いや、意地をよく表現しています。

どんなに愛し合っていても、どんなに相手を想う気持ちがあっても、二人が一緒に居たいと願っていても
どうしてもそうならない時があります。

それは恋愛を経験したことがある男女なら同じ様な経験があると思います。
だからこの小説は読んでいて、その時のドキドキやソワソワ、もどかしい感覚がリアルに分かります。

相手を求めた時には離れられ、相手が自分を求めてきた時には意地を張ってしまう。
愛し合っているはずなのに会うと喧嘩になってしまう。
でもその二人の何気ないやりとりが楽しい。

そしてやっと二人が分かりあった時に、過去のちょっとした過ちが二人の仲を引き裂く。

それを乗り越えたい気持ちと、乗り越えられないかもという不安。

沢山の感情を乗り越えて、最後に二人がたどり着く形。
それまで沢山の言葉で気持ちを伝えあってきても、なかなか思いのズレを修正出来なかったのに、最後の形になる時、その時の成長した二人が抱き合うには多くの言葉は必要ない。

学生の様な恋愛かもしれませんが、そんな恋愛を大人がドキドキしながら感じられる作品です。

最後の恋

どんなに言葉を交わしても
分かり合えない時がある



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本の基本情報
  • ジャンル:小説・恋愛
  • 本の種類:文庫本
  • 著者名:北川 悦吏子
  • 出版社:角川文庫

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本の基本情報
  • ジャンル:小説・恋愛
  • 本の種類:文庫本
  • 著者名:北川 悦吏子
  • 出版社:角川文庫

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