「国宝」

芸に生きることは、命を削ることだ

「国宝」について
本作は、歌舞伎という伝統芸能の世界を舞台に、芸に人生を捧げた男たちの壮絶な軌跡を描いた長編小説。
第69回芸術選奨文部科学大臣賞 、第14回中央公論文芸賞を受賞。
「国宝」あらすじ
物語は、異なる背景を持つ二人の少年が歌舞伎の世界で出会い、芸の道に人生を捧げる姿を描く。
- 立花喜久雄:任侠の家に生まれ、父の死後、歌舞伎役者に引き取られる。
- 大垣俊介:歌舞伎の名門に生まれ、喜久雄と同じ師匠のもとで修行する。
この二人は師匠・花井半二郎のもとで切磋琢磨しながら、梨園(歌舞伎界)で名を上げていきます。
しかし、芸の世界は厳しく、友情と嫉妬、挫折と再生が交錯します。
やがて、師匠は実子の俊介ではなく、部屋子の喜久雄を後継に選ぶという決断を下します。
そして、そこから二人の運命は少しずつすれ違っていく。
すれ違いながらも、「芸」という道で繋がっている。
そしてそこから新たな二人の運命が始まる。
「国宝」の感想
この作品を読んで、全体を通して感じていたのは、主人公・立花喜久雄の芸への執念と、それに伴う狂気的なまでの覚悟です。
舞台に立つ瞬間、彼の中に何かが憑依するような描写は、技術を超えた本能とも言える“魂の変容”として圧倒的な迫力を持っています。
どんな困難が降りかかっても、舞台に立てば別の人間になる。
そんな役者の業が胸に迫る思いでした。
白粉の匂いや舞台の緊張感、観客の熱気までが手に取るように描かれ、歌舞伎の知識がなくとも、その状況を理解することが出来る作品でした。
芸道小説ってあまり読んだことなかったんですが、歌舞伎を知らなくても楽しめる作品でした。

芸道小説であると同時に、人生をどう生きるかという問いを投げかける作品で、深く、熱い人間ドラマを感じることができた!
読旅の分析・評価

「国宝」SNSでの反応!
SNSに投稿されている「国宝」に関する投稿を見つけましたので掲載しています。
沢山の投稿がありましたが、その中から心に残った投稿を掲載させていただきました。
Xでの反応!
Xでも「国宝」に関するたくさんの投稿があります。
本書の魅力がよくわかります!
#国宝#読了
— mizu@読書📙📚 (@mizu_book1123) August 2, 2025
私はまず原作より先に映画を先に見ました。その感動が薄れないうちに原作を。映画も原作もどちらも素晴らしかった。
今振り返ると映画と原作はまるで別作品のようで、一言でいうと映画は美しく原作は重厚。原作では、映画であまり登場しなかった人物の心情やその後も描かれていてよかった pic.twitter.com/ebOYGTdCWf
ありきたりのコメントでスミマセン。『上下巻、怒濤の一気読み』でした。独特の語り口がこの小説にはピッタリで引き込まれました。
— narimasabook📕 (@narimasabook) September 23, 2021
『国宝』を存分に味わいました。#国宝 #読了 #吉田修一 pic.twitter.com/DBpseQnTwI
Inatagramでの反応!
Instagramでも多くの方が「国宝」に関する感想を投稿しています。
本書の魅力がよくわかります!
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