触れない愛の形、触れあう愛の形、求めるのは・・・
【シルエット】

読書感想小説恋愛

「シルエット」

シルエット

求める愛の形は、そんなに苦しい愛なら


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本の基本情報
  • ジャンル:小説・恋愛
  • 本の種類:文庫本
  • 著者名:島本 理生
  • 出版社:角川文庫

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本の基本情報
  • ジャンル:小説・恋愛
  • 本の種類:文庫本
  • 著者名:島本 理生
  • 出版社:角川文庫

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「シルエット」を読んで

本書は、島本理生さんの恋愛小説。
島本理生さんが10代の頃に書いた作品だそうです。10代の頃に、こんな深い愛についての感覚を持たれているとはさすがですね。

女性の体に嫌悪感を持ち、触れることすらできない恋人と高校生の少女の恋愛を描いています。
二人の間に触れるということはなくても大丈夫と思っていたけど、そのことから徐々に彼の言葉が少女の心を傷つけ、彼女は耐えることが出来なくなり、やがて二人は別れてしまいます。

そして、少女が向かったのは、正反対の遊び人の男や大学生の彼氏。
やがて少女は、それぞれの男性に対して、それぞれの愛の形があることを知ります。

それぞれの愛の形

相手の男性によって、色々な愛の形があることを知ります。
お互いに触れることを許されなかった男性、体の結びつきがあればいい男性、そして心と体の結びつきがある男性。

それぞれに形があり、自分はそれでいいと思い気持ちを抑えて男性に合わせるような恋愛をしています。
しかし、本当に心にある彼は、触れることが許されない男性。

どんなに求めても、彼に触れることが出来ないことを知り、少女は彼を諦めようと違う男性を求めようとします。
それでも彼女の心に残っている男性への気持ち。

心と体が同じ方向を向いたり、違う方向を向いたり。

少女は自分の内面的な気持ちの変化に戸惑いや不安を持つようになります。



「シルエット」を読んで!まとめ

本書も、島本理生さんらしい恋愛小説です。
少し苦く、重い背景がありながら、綺麗で純粋な女性の気持ちを綺麗で繊細な言葉で表現しています。

高校生の恋愛を描いていますが、大人の恋愛へとの変化の様子が分かるような気がします。
純粋さとエロティックな部分を半分ずつ持っているような恋愛。

大人の恋愛の様な行動をしながらも、高校生の様な純粋な恋愛。
時には激しく求めあう「愛」を表現しながらも、その一方であなたが好きという感情が溢れる「恋」も併せ持つ高校生の少女の心の状態が綺麗な言葉で描かれています。

大人の女性へと成長していきながら、失ってしまう少女の純粋な部分。
成長するために、失うしかない少女の部分。

失えば決して戻ってくることはないとは分かっている。

状況に流される部分と、自らそう動いて行く部分。

少女から大人へと変化する、嬉しいけど、少し寂しい感覚。
もう戻れないとはっきりとわかった時に、涙が流れることはなかった。

その瞬間に切なさの中で、少女は大人へと成長していくのだと感じました。
最後のシーンでは、何か胸がツーンと痛くなるようなそんな若い頃の恋愛の感じを思い出します。

本書は、「シルエット」と「植物たちの呼吸」、「ヨル」という短編の小説も二作もあります。
この2作もシルエットと同じように10代の頃に書かれた作品ということですが、短くても実に繊細な言葉で描かれています。
また違った愛、恋愛の形があります。

シルエット

求める愛の形は、そんなに苦しい愛なら


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本の基本情報
  • ジャンル:小説・恋愛
  • 本の種類:文庫本
  • 著者名:島本 理生
  • 出版社:角川文庫

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本の基本情報
  • ジャンル:小説・恋愛
  • 本の種類:文庫本
  • 著者名:島本 理生
  • 出版社:角川文庫

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