《感想》◆蒼色の大地◆
山と海を生かすためにその人生を捧げた

読書感想小説歴史・時代

「蒼色の大地」

蒼色の大地:薬丸岳
蒼色の大地:薬丸岳

山と海を生かすために
その人生を捧げた!

蒼色の大地:読書記録
蒼色の大地:読書記録

「蒼色の大地」について

この作品は、中央公論新社の「螺旋プロジェクトという企画の中の作品です。

螺旋プロジェクト
「共通ルールを決めて、原始から未来までの歴史物語をみんなでいっせいに書きませんか?」
伊坂幸太郎の呼びかけで始まった8作家
朝井リョウ伊坂幸太郎大森兄弟薬丸岳吉田篤弘天野純希乾ルカ澤田瞳子による前代未聞の競作企画である。

中央公論新社 「螺旋」プロジェクト|特設ページより引用

このプロジェクトの共通ルールがあって、まずはそのルールを紹介します。

  • ルール①
    「海族」と「山族」の対立を描く!
  • ルール②
    共通のキャラクターを登場させる!
  • ルール③
    共通のシーンや象徴モチーフを出す!

これらの共通ルールを守って書かれていることが前提にあります。

本作品はこの螺旋プロジェクトの中では、明治の時代を描いた作品です。

「明治時代」とは、歴史の時代区分では、日本では明治維新後、西南戦争など西郷隆盛が活躍していた時代です。

あの有名な西郷隆盛が活躍していた時代か!

この蒼色の大地で描くのは、その明治時代に、幼馴染で育った3人の子供たちの生き方。
その3人が実は海族と山族という関係だった。幼馴染という関係であっても、海族と山族という決して交わることのない関係を無意識に感じながらも、お互いの存在を認め合おうとする子供たち。

どうしても交われないなんとも言えないその関係を感じながら大人になり、その3人は海賊と海軍という敵対する関係で再会してしまう。

しかし、これまでに絶対に交わることのない関係とされていた海族と山族。
交われば絶対に悪いことが起こってしまう。
しかし、この物語では、その関係を修復するために、その生涯を捧げた人間がいたことを描いています。

螺旋プロジェクトの他の作品とは少し違った視点で、海族と山族の関係を描いています。

「蒼色の大地」を読んで

この作品は、冒頭でも紹介した「螺旋プロジェクト」の中の作品です。

この物語で描いたのは明治時代の海賊と海軍という関係の中にあった、海族と山族の関係です。
ここまで螺旋プロジェクトの作品を読んできて。海族と山族は絶対に交わると悪いことが起こる。この関係がいい方向に向くことはない。その関係を違った時代で描くというものでした。

しかしこの物語では、幼馴染で育った子供たちが海族と山族という関係に振り回され、その大切な関係が壊れ、国を巻き込むほどの争いに発展してしまうことになります。

そんな中、その関係を何とか修復しようと、その人生を捧げた人間がいた。
絶対にその関係はよくならないと伝えられていた関係の修復に挑んだのです。

海賊と海軍。海族と山族。
この敵対する関係に巻き込まれながら、この関係が支えあう関係になることがあるのではないか、そうなることを望んで信じた子供たちの関係が心に沁みます。

この物語から、海族と山族の関係に一筋の光が見えてきます。

読旅の分析・評価

蒼色の大地:分析・評価
蒼色の大地:分析・評価

今回この作品の分析評価として総合評価73点と高評価になりました。

螺旋プロジェクトの中で、「明治」の時代を舞台として、海族と山族の関係性を描いた作品。

全体的に8点の高得点を付けた項目が多いですが意外性やドキドキという点では、6点となっています。

海賊と海軍として争う関係にある幼馴染。
彼らの関係がじっくりと描かれている。そしてどういう結末を迎えるのかという期待感はありますが、それがドキドキという感覚ではなく、じっくりと読み込むという感じです。

物語全体としては、しっかりした構成で作られているので、次が気になる展開となっており、どんどん読み進めることが出来る作品でした。



「蒼色の大地」SNSでの反応!

SNSに投稿されている「蒼色の大地」に関する投稿を見つけましたので掲載しています。

沢山の投稿がありましたが、その中から心に残った投稿を掲載させていただきました。

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