《感想》◆やめるときも、すこやかなるときも◆
心に傷を持った二人が出会った。二人のたどり着いた場所とは

読書感想小説恋愛

「やめるときも、すこやかなるときも」

やめるときも、すこやかなるときも:窪美澄
やめるときも、すこやかなるときも:窪美澄

心に傷を持った二人が出会った
二人が「恋」を「愛」を「温かさ」を求めて
選んだ道とは

やめるときも、すこやかなるときも:読書記録
やめるときも、すこやかなるときも:読書記録

「やめるときも、すこやかなるときも」について

この作品は、窪 美澄さんの恋愛小説です。そのタイトルからも分かるように「結婚」ということについて書かれた作品です。

しかし、登場する二人の男女は、それぞれ「結婚」というもの、「恋愛」というものに対して、ある不安、傷を抱えており、その悩みの中で悩み苦しみながら二人の「愛」の形を探していく物語になっています。

二人が抱えた心の傷、それに向き合おうとする姿が愛おしい

本作品で描かれた男女二人は、それぞれが恋愛というものに傷、不安を抱えており、この男女が恋に落ち、それぞれの傷や不安に向き合い、そしてそれを受け入れていこうと懸命にもがき、考え、悩んで、やがて二人がある場所に辿り着く姿を描いた作品でした。

男は、過去に結婚しようとまで考えた女性を事故で失い、女性は、32歳でもほとんど恋愛の経験がないという恋愛に縁遠い生き方をしてきました。そんな二人が出会います。

男は過去に結婚を考えた女性を失ったということが原因である時期になると声が出なくなるという症状を抱えており、女性は恋愛に縁遠い生き方の中で、自分の家族の中でも父親の暴力などに悩んでいました。

二人はやがて、お互いを意識するようになり、お互いの心の傷や不安のことに気付き始めます。

誰かを好きになって自分のことを知ってほしい、と思ったのは、生まれて初めてのことだった。
P.135より

この部分にとても共感しました。自分の中に隠していたことや人に言えないことなど、本当に好きな人には隠したくないという気持ちが何となく分かるような気がしました。ただ好きな人、憧れている人には見せられない隠したいと思うこと、知られたら嫌われるんじゃないかと思ってしまう。しかし、本当に好きになって生涯を共にしたいと思った人には、自分のすべてを知って欲しい。そう思えるのが本当に好きになるということなのかなぁと感じました。

確かに知られると、知ってしまうと、嫉妬してしまったり、辛かったり、がっかりしてしまうこともあるかもしれないけど、それでもその人と一緒にいたい、その人を守りたい、そう思える相手に出会えた、そしてそこに行き着くまでの二人の心の揺らぎや、行動の変化。この作品では、この細かな部分までがしっかりと描かれています。

男性からの気持ちや女性からの気持ちを交互に描いており、その心情の流れを読みながら感じることができ、お互いの好きだというお互いを求める気持ちが離れたり、重なったりするときの感情の波に読みながら飲まれていける作品でした。



「やめるときも、すこやかなるときも」を読んで!まとめ

本作品を読んでみて、恋愛と結婚。この二つの大きな違いについても感じることが出来ましたような気がします。

恋愛とは、相手を好きになると同時に、自分のことも好きになって欲しい。だから嫌われたくないという感情も大きくなってくる。その結果、自分の本当の姿を隠してしまって、相手が気に入るような姿を演じてしまう。そして疲れてしまう。

結婚とは、相手を好きになると同時に、怖いけど自分の本当の姿を知って欲しい、隠したくないという気持ちが大きくなる。そして相手のことも知りたい、そして守りたい。もし傷や不安があるなら、それを共に支えあって乗り越えていきたい。

私の勝手な解釈ですが、恋愛と結婚の違いをこんな風に考えてしまいました。「やめるときも、すこやかなるときも」。つまりどんな時でも、どんなことがあっても「あなたを愛します。守ります。」結婚するときに誓い合う、誓い合うというよりも、もとから心にあったお互いの気持ちを言葉に出したというべきでしょうか。

私も結婚していますが、「なぜ、この人と一緒にいるんだろう」と考えたことはあります。もちろんその答えは「好きだから、愛しているから」という気持ちに至ります。しかし、そんな時にいつも「それだけじゃない」という思いも同時に浮かびます。

「この人とじゃなきゃダメなんだ。」この気持ち、感覚には根拠がないような気がします。「なんで?」と聞かれても・・・。それが恋愛と結婚の違いなのかなぁなんてことをこの作品を読みながら感じました。

過去や現状にでも、何の問題も、悩みもないという人は少ないと思います。そんな傷や不安を抱えていても、相手にそれがあっても、それでも一緒にいたい。なぜ誰かと一緒にいたいと思う、願うのか。そう思える相手との出会いも一瞬であったり、長い時間をかけたり様々です。

結婚っていったいなんなんだ。
P.392

一緒にいて、問題が出てくることもあるのに、それでも一緒にいる。その人とは離れてしまっても、また違う人と一緒にいたいと思う。人が誰かと一緒にいたいと感じる気持ちを、その度合いの違いで、「恋愛」であったり「愛」であったり「結婚」という言葉で表していてるのであって、人が誰かと一緒にいたいという気持ちって、ただただ素敵だなぁと感じました。

本作品に登場する二人が、お互いを求めあうその一生懸命な姿、「あなたが好きだ」と情けない姿を見せてでも気持ちを爆発させたその姿に胸がジーンとしました。心に沁みる恋愛小説を読みたいと思っている人におススメの1冊です。

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mariyu0525」さん、「dokusyo_mm」さん!
今後も投稿楽しみに拝見させていただきます。

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大切な人を失った男と
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