《感想》◆そして、バトンは渡された◆
沢山の愛情を感じたよ。家族という名の暮らしに。

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「そして、バトンは渡された」

そして、バトンは渡された:瀬尾まいこ
そして、バトンは渡された:瀬尾まいこ

つらい環境で育ってきたのかもしれない
だけど、私は沢山の愛情を注がれ生きてきたよ

そして、バトンは渡された:読書記録
そして、バトンは渡された:読書記録

「そして、バトンは渡された」について

この作品は、2019年の本屋大賞受賞作品です!この作品は、本屋大賞以外にも第31回山本周五郎賞の候補に挙がるなど、高い評価を受けている作品です。著者は数々の文学賞受賞作品を書かれている瀬尾まいこ先生です。最近、映画化されると話題になっていたので、映画を見る前に早速原作であるこの作品を読んでみました。

読んでみて率直な感想は、「読んでよかったと感じることが出来る作品」、つまり納得の作品でした。

この作品の内容としては、普通とは言えない家庭環境で育った少女の物語で、幼い頃に両親と別れてしまう、普通に考えると辛い毎日となるような環境で、彼女はむしろ本当の両親の後に出会う、親代わりの大人たちに多くの愛を注がれて生きていきます。

本当の家族ではないけれど「家族」という名の生活の中で、彼女は普通の家族では感じることが出来ないような、多くのことを感じながら、明るくそして、たくましく成長していきます。

そんな彼女が大人になり、ある男性と恋に落ち、今度は自分で自分の家族を作るために、伴侶を持つときに、この複雑な家族という環境で育った彼女がとった行動、そして、その行動の中で明らかになっていく、彼女をずっと見守ってきた、親と呼ばれてきた大人たちの優しい嘘が、とても心に沁みます。

他ではあまり見ない、不思議な世界観から始まった作品は、最後までその予想外の展開と、人間の優しさ温かさの感動を与えてくれる。さすが本屋大賞と言える作品です。

可哀そうだと感じる単純な作品ではない!

本作品では、大人たちの事情で実の親と暮らせなくなった一人の少女が主役として描かれています。実の母親は幼い頃に死別してしまい、実の父親とも仕事の都合で幼い頃に別々に暮らすことになります。そして実の父の再婚相手と暮らすことになった少女は、親が変わるたびに苗字も変わるという経験をしながら生きていきます。

普通はこの状況で育ったと知ると、ほとんどの人が、寂しくて親の愛情を感じることが出来なかったという内容の作品になるのだろうと予想します。

しかし、この作品はそうではありません。このような一見辛いと思えるような複雑な家族環境で育つという経験しながらも、その中で多くの愛情を注がれ、そして彼女自身もその環境を前向きに捉え、感じて生きていきます。

それが分かるように作品の始まりで、意表を突かれる一文で始まるのです。

困った。全然不幸ではないのだ。少しでも厄介なことや困難を抱えていればいいのだけど、適当なものは見当たらない。いつものことながら、この状況に申し訳なくなってしまう。
P.8

この始まりのおかげで、その後分かってくる少女を取り巻く、可哀想だと思える状況に、読者が勝手に可哀想だと感じるのではなく、不思議な感覚で読み進めることが出来るようになります。

この作品が、ただ「本当の両親と暮らせない可哀想な女の子」と思えるような作品ではなく、もっと深く、リアルで現実的な様子を描く作品へと様変わりするのです。

読者が勝手に想像して描く、可哀想だと思える家庭環境。しかし、はじまりの部分で主人公はそう感じていないんですよと言っているので、読者はこの状況がどうなっていくのか、作品の中で捉えようという気持ちが強くなり、読み進めれば進めるほど、グッと作品に入り込んでいきます。

この作品をありきたりな作品にしないのは、始まりの一文にあると感じました。この一文のおかげで、読んでいく読者も、この先どうなっていくのかというわくわく感を感じながら読み進めることが出来ます。

著者の大胆に仕掛けた、始まりの1文、これはまさに作品を面白くする戦略で、さすがと思いました。

そしてクライマックスに向けて、段々と人間の深い心情の部分に触れていく、最初から最後までじっくりと読みながら楽しめる作品です。



「そして、バトンは渡された」を読んで!まとめ

本作品は2019年の本屋大賞受賞作品で、さらに映画化と話題になっている作品でした。読んでみた感想としては、「さすが本屋大賞!」、「映画も観てみたい!」と感じさせてくれる作品でした。

本作品では、ちょっとというか、かなり複雑な家庭環境、家族の形が題材として扱われています。親が変わるたびに何度も苗字が変わる。思春期の女の子であれば、間違いなくすごく嫌がることもあるだろう状況なのですが、この作品に登場する少女は、この環境を前向きに考えて捉えて生きていきます。

辛く感じるような状況を明るく前向きに捉えながら、そして親ではない、自分に愛情を注いでくれる大人たちに、彼女はいい意味での気を使いながら楽しく過ごしていきます。

幼い子供にとっては、受け入れることが難しい状況である環境を、いい意味で少し変わった大人たちの優しい愛情によって、楽しくちょっと愉快と思える状況に感じることが出来るように描かれている素敵な作品でした。

本来ならデリケートで繊細な環境を描いている作品なのですが、読んでいて、いつの間にか楽しく感じながら、少し笑いながら読み進めていることに気付く場面もありました。

エンディングでは、人間の愛情や優しさ、そして生きていく環境を、いい方向へ向けるか、悲観的に捉えていくかは、その人の考え方次第ではないかと考えさせられた作品でもありました。

もちろん最後は感動できる、本屋大賞に選ばれることに納得できる、読んでいない人に、読んでみて!いい作品だよ!と勧めたくなる作品だと感じました。

「そして、バトンは渡された」SNSでの反応!

SNSに投稿されている「そして、バトンは渡された」に関する投稿を見つけましたので掲載しています。

沢山の投稿がありましたが、その中から心に残った投稿を掲載させていただきました。

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ツイッターでも「そして、バトンは渡された」に関するたくさんの投稿があります。
本書の魅力がよくわかります!



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今回当ブログで紹介させていただくことを許可していただきありがとうございました。
33_bookshelf」さん、「y_k.book」さん!
今後も投稿楽しみに拝見させていただきます。

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そして、バトンは渡された

「家族」の色々な形・愛情を描いた感動作!
☆2019年本屋大賞
☆瀬尾まいこ
☆文藝春秋

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言葉の力を感じる原田マハさんの名作!

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