文春文庫

読書感想

《感想》 ◆百花◆ 母から引き継がれる大切な記憶

母親のことを大切にしようと強く感じた作品でした。息子のことすら忘れてしまった母。しかし、母が最後まで記憶の中に残していたものそれはとてもとても身近にあった。元気な頃は分からなかった母のこと自分が親になった瞬間に母が息子のことをどう思っていたのかそれを心から理解できる。深く心に沁みる作品です!
読書感想小説人生・人間ドラマ泣ける・感動
文春文庫川村元気
読書感想

《感想》◆テミスの剣◆
冤罪と隠蔽。権力・組織に立ち向かう!

冤罪を作り出してしまう今の警察の取り調べや、司法のシステムの問題、それを隠蔽しようとする関係者たちの保身を繰り返す姿。その中でも真実を明らかにしようと権力と組織に立ち向かう男の姿を描く!渾身の裁判ミステリー小説!
読書感想小説事件・裁判サスペンス
中山七里文春文庫
読書感想

《感想》◆そして、バトンは渡された◆
沢山の愛情を感じたよ。家族という名の暮らしに。

ちょっと変わった家族。大人たちにふりまわされた少女は、そんな中でもたくさんの愛情を注がれながら生きていく。家族って何?その答えは、自分自身が家族という環境をどう受け止めたかで変わるのではないか。さすが本屋大賞受賞作品!映画化も話題となっている「そして、バトンは渡された」の読書感想文です。
読書感想小説人生・人間ドラマ泣ける・感動
映画化文春文庫瀬尾まいこ
読書感想

普通じゃない、だから異物。普通って何ですか?治すって何を?
【コンビニ人間】

コンビニで働く女性。彼女は周りから「奇妙な子」と言われながら育ってきました。彼女は家族のために、普通に生きようと自分を隠して生きています。コンビニで働く、そこでは自分が周りと同じように普通と思われている。そう思わせることが出来る。でもここで思う。「普通って何ですか?」読者がこの問いの答えを考えることになります!
読書感想小説人生・人間ドラマ
本屋大賞文春文庫芥川賞村田沙耶香
読書感想

心を許したたった一人の友人には知らないもう一つの顔があった
【影裏】

信じて心を許した親友。その親友が突然姿を消した。その親友を探していくうちに、親友には知らないもう1つの顔があった。親友にもし知らない顔があったとき、人はその事実にどう向き合うのか、読者はその答えを考えることになる。芥川賞受賞作品「影裏」人間関係について深く考えさせられる作品です。
読書感想小説ミステリ―人生・人間ドラマ
文春文庫芥川賞沼田真佑
読書感想

手に入れた「愛」と手放してしまった「愛」
【朝が来る】

実の子供が出来ない夫婦と、幼くして子供ができ出産し、その子を手放してしまった母親の人生を描いた作品です。「特別養子縁組」という制度を利用してつながった二人の母親。色々な家族の形、絆、そして葛藤を描く。現代の日本の社会が抱えている問題に踏み込んだ作品。今の家族の幸せの形、希望を追い続けた人間が見た光、その光に感動します。
読書感想小説人生・人間ドラマ泣ける・感動
映画化辻村深月文春文庫
読書感想

あなたの愛は永遠に続くと言えますか
【四月になれば彼女は】

あなたの日常にある「愛」は、本当で、永遠に続くと自信を持って言えますが?人にある愛という感情に迫った、普通の恋愛小説とは違う感覚の恋愛小説。一瞬の愛を感じることができるか。そこに迫る究極の恋愛小説でした。
読書感想小説恋愛
川村元気文春文庫
小説

それがどうしてお前だったんだ・・・
【その日のまえに】

身近な人の「死」というものを描いた作品。死を迎える「その日」が、大切な友人や家族の死が訪れようとしているとき、周りの人たちはどんなことを思い、どんな行動をするのか、そして残された人たちは「その日」のあとにどうやって生きていくのか。深く考えさせられる感動の短編集です。
小説人生・人間ドラマ泣ける・感動読書感想
重松清文春文庫
読書感想

天国に旅立ってしまった君へ
【ラストレター】

初恋の人を死を知った鏡史郎。彼は売れない小説家である。彼が書くことを選んだのは初恋の彼女の影響。スマホで簡単に言葉を送れる今の時代に、手紙という言葉のやりとりが切ない恋の行方をより切なく表現しています。亡くなった初恋の相手は遺した遺書にどんな思いを込めたのか?
読書感想小説恋愛
映画化岩井俊二文春文庫
心情・思想

おめでとうございます、抽選に当たりました!
【カラフル】

「おめでとうございます、抽選に当たりました!」という何とも嬉しくなるようなセリフから始まります。しかもそのセリフは天使のセリフ、何だかいい事がありそうな感じです。書名も「カラフル」ととても明るい印象を受けますね。しかし、抽選に当たったのは死んだはずの人間の魂。大きな過ちを犯して死んだ罪な魂です。その魂が一体なんの抽選に当たったのでしょう!人生。人間関係が分かる。
心情・思想読書感想小説人生・人間ドラマ
森絵都文春文庫
読書感想

昭和に取り残された事件に犯人を引きずり戻す!
【64】

わずか7日で終わった「昭和64年」。そこで少女誘拐事件が起こる。本作品はそこから始まる。その事件を取り巻く多くの人間と組織が、複雑に絡まり合い、事件解決へと向かう。昭和に取り残された事件と被害者の父。その無念を晴らすべく奮闘する人間達の複雑な関係や感情が上手く表現された作品。クライマックスでは衝撃の結末が。被害者父の行動がたまらない。
読書感想小説ミステリ―
文春文庫横山秀夫