「雪の花」

疫病の予防法を広め、疫病と闘った男の生涯

「雪の花」について
本作、吉村昭さんの『雪の花』は、記録文学の名手である著者が描いた、江戸時代末期の町医者・笠原良策の実話に基づく感動作です。
「雪の花」あらすじ
舞台は、幕末の福井藩。
天然痘(疱瘡)が猛威を振るい、多くの命が失われていた時代。
主人公は町医者・笠原良策。
漢方医だったが、天然痘に無力さを痛感し、蘭方医学(西洋医学)へと転向することになる。
そして、天然痘の予防法「種痘」が異国から伝わったことを知り、私財を投げ打って痘苗(ワクチン)を福井に持ち込み、藩医や役人たちの妨害にあいながらも、民を守るための、雪深い峠越えによる痘苗の輸送を決行する。
狂人と蔑まれながらも、命を救うために種痘の普及に尽力する信念を持った姿が描かれる。
「雪の花」の感想
この作品は、医学の進歩と人間の信念、そして社会的抵抗との闘いを描いた、静かで力強い記録文学で、天然痘という未知なる病と向き合う人間の知と情熱を描いた作品でした。
吉村昭先生ならではの緻密な取材と簡潔な筆致が生み出す物語は、記録文学でありながら圧倒的な人間ドラマとして読者の胸を打ちます。
現代にも通じる「ワクチン忌避」「医療への不信」といった社会的テーマが、歴史的事実として描かれる点が秀逸で、科学と人間の間にある“信じる力”や“理解を得る難しさ”に焦点を当て、医療者の孤独な戦いが胸を締めつける作品でした。
『雪の花』というタイトルは、寒さや孤独、障壁を象徴しつつも、その中に咲く希望を表しています。吉村昭が描くのは、医学の進歩以上に信念の力と、それを貫くことの尊さです。
『雪の花』というタイトルは、寒さや孤独、障壁を象徴しつつも、その中に咲く希望を表しています。
吉村昭が描くのは、医学の進歩以上に信念の力と、それを貫くことの尊さです。
この物語は、「社会に理解されない者が、それでも人を救おうとするとき、どんな困難があるのか」を静かに問いかけてきます。現代を生きる私たちが、科学と向き合う姿勢を再考するうえでも、大きな示唆を与えてくれる作品でした。

淡々と事実を積み重ねる吉村先生の文体が、読了後に深い余韻を残します!
読旅の分析・評価

「雪の花」SNSでの反応!
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沢山の投稿がありましたが、その中から心に残った投稿を掲載させていただきました。
Xでの反応!
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#吉村昭#雪の花#読了
— かわやん (@kawa_yan_yan) March 30, 2025
福井の町医者笠原良策が、天然痘根絶のために種痘を広めようと尽力する。
福井の冬の厳しさや西洋医学への無理解、子供に接種させる怖さのみでなく、藩医の妨害、さらに役人の事なかれ主義による非協力的な姿勢。既得権益にしがみつく姿は今も昔も変わりないとしみじみ思う。 pic.twitter.com/oHXEJgWHvN
読書タイム📖#雪の花 pic.twitter.com/T71yIkU14u
— 荒川マダム(ChiMa) (@3Tgh0BnG8pj5sYz) March 8, 2025
Inatagramでの反応!
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