読了本からおすすめする!!2021年上半期!厳選小説8選!
今回紹介する本は「読了本からおすすめする!2021年上半期!厳選小説8選!」です!
2021年の1月から6月までの間に読んだ小説の中からこれはおすすめしたいと思った作品を8作品厳選しています。
面白い小説読みたいなぁと思っている人、選書の参考にしていただけたら幸いです。
2021年の上半期に読んだ小説の中からこれはおすすめ!という作品を厳選してます!!
※作品の横の番号はランキングではありません。
《作品1》あの日、君は何をした:まさきとしか
まず最初の1作品目は、まさきとしか先生の「あの日、君は何をした」です。
この作品は、突然息子が事故に巻き込まれて亡くなってしまった家族のリアルな様子を描きながら、息子を失った母親の執念の行動・姿を描いています。
ある事件の捜査中に起きた事故で、息子は命を落とした、息子を失った母親は、なぜ息子が死ななければいけなかったのか、息子の死を納得できないまま過ごしていきます。
そして長い年月が過ぎたある日に起きた事件が、息子が亡くなる原因となった事故と関係していることが分かってくる。
事件の真相を追う刑事と、息子を失った母親の執念が、関係ないと思われたこの二つの事件の関連を次々と暴いていきます!
そして最後に見えた、この二つの事件の繋がりと、真相とは。そこに見えてきたのは思いもよらない深い真実だった。
まったく関係ないと思われていた2つの事件が、実は関連していた。
予想外の結末に、最後までハラハラしながら読んだ作品です!
《作品2》本日は、お日柄もよく:原田マハ
続いて2作目は原田マハ先生の「本日は、お日柄もよく」です。
この作品は、私が原田マハ先生の作品のファンになるきっかけとなった作品です。
スピーチライターという、言葉を扱う職業について描いた作品であり、この作品を読んで改めて言葉が持つ力というものを再確認することが出来、言葉が持つその力に感動を覚えた作品でした。
言葉は世の中を変えてしまうこともある。
聞く人の心を動かし、感動させ、行動へつなげることが出来る。そしてそれは大きな力へと成長し、大勢の人を突き動かすこともできるのである。
誰かにスピーチを頼まれたり、会社でプレゼンを担当するなど、人の前で話すという機会を得た方、また人前で話すことが苦手と感じている方に、是非読んでみてほしい1冊!
この作品を読めば、言葉が持つ力、魅力を知り、言葉を使うこいとの大切さ、重要さを感じ、人に言葉を使って思いを伝えるということへのこだわりを持つことで、その役目を見事に果たすことができるはずです。
言葉の力ってホントに凄いと改めて感じることが出来る作品!
原田マハ先生の文章力もまた素晴らしい!
《作品3》コンビニ人間:村田沙耶香
3作目は村田沙耶香先生の「コンビニ人間」です。
この作品は、第155回芥川賞を受賞した作品です。
この物語の主人公は周りからちょっと変わった女性と思われています。
みんなと同じように、変わっている人と思われないように毎日を過ごせるよう自分を作って生活している。
しかし、みんなのいう変な人、普通の人って一体どんな人のことを言っているのか。。。
周りの人が言う「普通の人」とは、それを判定する人は何をもって普通の人という判断をしているのか、この作品を読んで、自分の中でも普通の人という判断、その判断の曖昧さや、自分の勝手な常識の中で判断しているということに気付きました。
本当に普通の人って一体どんな人なのか、そして、その判断で、普通ではないという判定をされた人に対して、周りの人達は一体どんな対応をするのか、接し方をどうするのか、その様子など、この作品で触れているテーマは、誰もが日常的に経験する機会があるものであるが、なんとなく深く考えずに過ごしていることに焦点を充て、読者にそれを再認識させ、考えさせるという作品だと感じました。
コンビニ人間という、ちょっと不思議で軽めのタイトルからは想像できないような、深く考えさせられる作品でした。
よんでよかったと思える作品です!
この作品はさすが芥川賞と思える作品でした!
ちょっと変わった主人公と物語ですが、読み進めていくうちにグッと作品に入り込んで読んでいたました!
詳しい感想が見たくなった方は
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《作品4》ぼくは明日、昨日のきみとデートする:七月隆文
次の4作目は七月隆文先生の「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」です。
大学へ通学する電車の中で見かけた女性に、一目ぼれする男子学生。
一目惚れした男子学生は、勇気を振り絞り、その彼女に告白する。そうして物語は始まる。
晴れて付き合うこととなった二人。
しかし実は、彼女には誰にも理解してもらえないような「秘密」があった。
その秘密を打ち明ける彼女。
その秘密を知ったが、素直にそのつらさや現実とは思えない秘密を受け入れることが出来ない青年。
二人はすれ違いの日々を過ごすことになる。
しかし、やがて彼は、その辛さを、その秘密を告白した彼女自身の辛さを理解していく。
彼女の秘密を受け入れ、彼女との日々を大切に過ごすことを決めた彼。そこから二人は思いを大切に繋ぐようになっていく。
しかし、それと同時に二人には切なすぎる純愛が始まることになるのだ。お互いがその結末を理解したとしても
どんな困難があっても、その運命に逆らうことが出来なかったとしても、お互いを想う気持ちを断つことは出来ない。
そんな二人の純愛に感動が止まりません。
映画化、漫画化もされている長く愛されている大人気の恋愛小説です!
青春の恋愛。
いつ読んでもドキドキしてそして切なくなる作品。何度でも読める作品です。
詳しい感想が見たくなった方は
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《作品5》告白の余白:下村敦史
5作目は下村敦史先生の「告白の余白」です。
この作品は、京都を舞台にした物語で、第7回京都本大賞候補になった作品で、京都の雰囲気や京都で生まれ育った方たちの特徴なども描きながら、特に京都の言葉の特徴を表現した物語です。
京都の言葉の特徴に、言葉の中に込められている余白というものがある。その余白には、他の地域とは違う、京都ならではの京都で生まれ育った人たちの思いというものが込められている。
京都という土地の特徴、そして言葉の特徴を分かりやすく描いていることで、京都の行ったことがない人がこの作品を読んでも、その言葉の繊細さや美しさ、独特な雰囲気を感じることが出来る作品となっています。
読みながら京都という土地を身近に感じ、行ってみたいと感じることが出来ます。
更に言えば、言葉だけでなく、京都という土地の長く、そして深い貴重な歴史、文化を感じさせてくれます。
いろんな地域で使われている同じ言葉でも、前後の言葉の違いや、その時の雰囲気、タイミング、そしてその土地の文化など「言葉」というものにはそれらが大きく関係しており、言葉というものは、ただ聞いたままの言葉が、言った人の本心をすべて表現しているかは分からない。
言葉の深さ、人の心と言葉の密接な関係など、言葉の表現の大切さを感じさせてくれる作品。
この作品で描かれた京都を感じて、京都に行ってみた
、実際にその言葉を聞いてみたいと思いました。
詳しい感想が見たくなった方は
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《作品6》盤上の向日葵:柚木裕子
次の6作目は、柚月裕子先生の「盤上の向日葵」です。
この作品は2018年の本屋大賞で第2位を獲得しています。
タイトルの「盤上」という言葉からも分かるように「将棋」が作品の中心となっているミステリー小説です。
将棋が分からないと、この作品を読んでも楽しめないかというとそうではありません。
将棋が分からなくても、この作品のミステリー性はもちろん、ストーリー中で描かれる重厚な人間ドラマ、そしてストーリーの展開も十分に楽しむことができますので、将棋が分からない方でも安心して読んでみてください。
将棋の駒に隠されたある真実。
時代を超えて、ある事件が明らかになっていく展開が、読者を飽きさせず、ボリューム感のある作品にも関わらず、一気に読みたくなる面白さです!
文庫本で上下巻とボリュームがありますが、読み始めると読みやすく内容も目が離せない展開で、ぐいぐい読んでいけます!
将棋が分からなくても内容は十分楽しめます!
タイトルだけ見ると将棋のことで難しそうに感じますが、そんなことなく読みやすい作品!
《作品7》52ヘルツのクジラたち:町田そのこ
7作目は、町田そのこ先生の「52ヘルツのクジラたち」です。
2021年本屋大賞を受賞した作品。
幼い頃に親からの虐待を受けた主人公が、家族と離れ、ある田舎に移り住むことから物語は始まります。
移り住んだ場所で、ある一人の少年と出会います。
そして、その少年も虐待を受けているという事実を知ることになります。
その少年に、自分が経験した幼い頃の姿が重なり、同じ経験をした者同士の二人が、寄り添いながら、少しずつお互いの心情を理解し合い、その存在自体が大切な存在なんだと気づきだします。
本作品は、親による虐待というとてもデリケートで難しいテーマを扱った、とても繊細な作品でした。
親たちが幼い子供たちにやってきた虐待という行為に、怒りや恐怖を覚え、辛くなる場面も作品中に出てきます。
この辛い経験から立ち直ろうともがく二人の姿、心情が実に繊細に描かれていて、その場面を想像すると、胸が痛くなり、涙が止まらなくなりました。
とても深い悲しさを感じる場面は多くありますが、その反面、温かさや優しさがグッと心に伝わってくる場面もある作品でした。
虐待という背景があるため、いい作品という表現がいいのか分かりませんが。
読んでよかったと思える作品でした。
さすが本屋大賞と思える作品です。
虐待は絶対にやってはいけないし、許せない!
しかし、今でも実際にその虐待の被害に遭っている子供たちは存在している。
そんな経験をさせることも絶対にあってはいけない。
胸が痛くなる場面は多いですが、虐待というものについて深く考えることができ
本当に読んでよかったと思えた作品!
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《作品8》推し、燃ゆ:宇佐見りん
最後、8作目は、宇佐見りん先生の「推し、燃ゆ」です。
この作品は、内容的にも十分に評価され、第164回芥川賞を受賞しています。
そして2021年の本屋大賞にもノミネートされ、9位という結果を残しています。
まずはこの作品の特徴として、不思議な感じの装丁デザインもありますが、まず最も気になるのはこのタイトルでしょう!
このタイトルを見て「ん?」と思った人と、スッと意味が分かった人がいるでしょう。
私は「ん?」と意味が分からなかった方です!(笑)
本作品は、タイトルはもちろんですが、内容についても現代らしさを表現した小説を代表する作品だと思いました。
現代は、SNSなどの普及によって「推し」をより身近に感じ、推しの情報もすぐに手に入る。
その結果、推しに依存する人は増えていると感じています。
こういった時代の変化による、推しとファンとの関係も実にリアルに表現されている作品だと感じました。
この作品が芥川賞を受賞したということは「まさに現代!」と感じました。
タイトルだけでも十分に惹かれます!
しかしタイトルだけじゃなく内容もとっても面白い作品です!
詳しい感想が見たくなった方は
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読了本からおすすめする!!2021年上半期!厳選小説8選!まとめ
それでは最後に今回紹介した「読了本からおすすめする!2021年上半期!厳選小説8選!」の全8作品を改めて紹介しておきます。
この8作品でぜひのめり込んで読んでみてください!!
【全8作品のそれぞれを読みたくなった方はコチラ!】
- あの日、君は何をした:まさきとしか
- 本日は、お日柄もよく:原田 マハ
- コンビニ人間:村田 沙耶香
- ぼくは明日、昨日のきみとデートする:七月 隆文
- 告白の余白:下村 敦史
- 盤上の向日葵:柚月 裕子
- 52ヘルツのクジラたち:町田 そのこ
- 推し、燃ゆ:宇佐見 りん
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