運命を狂わされた二つの同じ顔
【双頭の鷲は啼いたか】

読書感想小説サスペンス

「双頭の鷲は啼いたか」

双頭の鷲は啼いたか_樹亜希
双頭の鷲は啼いたか_樹亜希

どうしてこの二人が出会ってしまうのか。
二人の出会いがそれぞれの人生を大きく狂わせていく!

双頭の鷲は啼いたか_読書記録
双頭の鷲は啼いたか_読書記録

「双頭の鷲は啼いたか」について

2021年6月のAmazonプライムデーでやっと「Kindle Paperwhite」を購入しました。
32GBが7000円割引だったので、即買いでした。

購入したKindleで早速本を探していました。
何気なくInstagramやツイッターで何か面白そうな電子書籍はないかな~と思いながら探していると、この作品に出会う機会に遭遇しました。

そしてこの作品は、私がKindlePaperwhiteで購入して読んだ、記念すべき1冊目です。
本書は電子書籍での販売です。

本作品は樹 亜希さんの作品で、私はこの作家さんの作品を読むのは本作品が初めてでした。
構成は3篇からなる短編集です。

購入した時に読んでいた本を読了後に本作品を読み始めました。
まずはこの作品の表紙とタイトルが私にはとても魅力的に感じられて、グッと気持ちが入って読み始めることができました。

読みはじめてまず思ったのは、「読みやすい」という感覚です。
読み始めで、この作品は読みやすい!内容がスッと頭に入ってくる!と感じられる作品は、そのまま一気に読み進めていく事が出来ますね。

読み始めた最初の1篇「双頭の鷲は啼いたか」から、ストーリーはもちろん先を読みたいと思わせてくれる作品です!

それぞれの作品にある共通点!

本作品の3篇を読んで各篇には共通点があると感じました。
それは、母親の存在、母親とその子供の関係がどの篇でも描かれていて、その関係はそれぞれ違うのだけれど、母親との関係が子供の人生に影響を与えていると感じました。

第1篇のストーリーでは、ある事故がきっかけで出会ってしまった同じ顔をした二人の男性の人生を描いているのですが、その背景には両親、特に子供が母親に対して抱く思いも何度も描かれています。

第二篇でも、愛する人と結ばれた男女の人生を実にリアルに描いているのですが、そこにもまた母親と娘の関係や心情も描かれています。

そしてラストの第三篇では、花屋さんがそれぞれ登場する人物たちの交わる場所になっており、それぞれ色々な人生を歩んでいる登場人物たちを描きながら、そこにもある母親と子供の関係が描かれています。

三篇それぞれに、主となる深いストーリーがあるのですが、その背景には母と子供の関係がある。
そういったことも感じながら読んでいると、主となるストーリーがよりリアルな人間の心情と行動だと感じられるようになります。

メインとなるストーリーが進みながら、そのストーリーが作られる背景となった、ストーリーにどう影響しているのかと考えさせられる母親との関係感じさせてくれる上手い作品だと感じました。



「双頭の鷲は啼いたか」を読んで!まとめ

冒頭でも書きましたが、本作品は読み始めた時にまず「読みやすい」と感じて、そのままグッと読み進めることができました。

短編集ということもあると思いますが、第1篇の展開はとても早く感じられて、なかなかのスピード感で読めました。
途中で意表を突く、考えつかない展開になって、そこからもその結末を早く知りたいと思わせる書き方にグッと入り込むことができました。

第二篇では第一篇に比べて長くなっています。
このストーリーの展開は、第1篇とは愛し合う二人の感情を描く部分が多く、時間がゆっくりと感じられる作品だと思いました。
初めて恋を知り、恋が愛に変わり、熱く燃える愛するという感情、そしてその愛が育まれ、時に愛を不安に感じ、最後に行き着く優しい愛の姿。
何気ない日常でもある光景だと感じるのだけど、その描き方がとても好きでした。

第三篇では違った愛の形が描かれており、色々な事情を抱え、秘密を抱えながら生きる人生。
ある花屋さんを中心に描かれる全く違う人生を送っている人たちが色々な心情や表情を見せてくれます。

この作品を読み終えて感じたこと。
それは、この作家さんの長編作品を読んでみたいということでした。

本作品で私が感じた特徴は、どの作品でも描かれている人間の心情には、共感できる部分も多くそして美しく表現されているということでした。
短編集であったから今の表現に留まっているのであれば、長編作品で、様々な人生を背景に持つ人たちの心情や人間関係をもっと細かく繊細に描いた時、どんな綺麗な表現になるのかと楽しみに感じてしまいました。

Kindle Paperwhiteで読んだ最初の記念すべき1冊が本作品で良かったと感じています。

本作品の作家さんのInstagram

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