私の居場所は、こんなところにあったんだね。
【夜空に泳ぐチョコレートグラミー】

読書感想小説人生・人間ドラマ

「夜空に泳ぐチョコレートグラミー」

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夜空に泳ぐチョコレートグラミー

人生で迷子になってしまった人に読んで欲しい

自分の居場所がきっと見つかると感じられる。

夜空に泳ぐチョコレートグラミー_読書記録
夜空に泳ぐチョコレートグラミー_読書記録

「夜空に泳ぐチョコレートグラミー」について

「夜空に泳ぐチョコレートグラミー」。
本作品を書店でよく目にするようになったのは、町田そのこさんの「52ヘルツのクジラたち」が本屋大賞を受賞したことがきっかけだったと思います。

本屋大賞を受賞された後は、本作品以外の作品も再注目されて書店では、町田そのこさんの作品の特設コーナーを設けているところもありました。
そんな特設コーナーからタイトルが気になって手に取った作品が、この「夜空に泳ぐチョコレートグラミー」でした。

「チョコレートグラミーって何?」という気持ちが強かったことを覚えています。
タイトルが印象的ですぐに手に取りました。

本作品は下記の5編が収録された短編集の構成になっています。

  • カメルーンの青い魚
  • 夜空に泳ぐチョコレートグラミー
  • 波間に浮かぶイエロー
  • 溺れるスイミー
  • 海になる

「カメルーンの青い魚」は第15回女による女のためのR-18文学賞の大賞を受賞した作品です。

チョコレートグラミーとは
スズキ目ゴクラクギョ科に分類される魚。全長約6cm。暗褐色の体色に白い横縞が数本入り、尻びれと背びれが白く縁取られる。胸びれと尾びれは透明で、これを細かく動かしてゆっくりと泳ぐ。雄は発情すると背びれと尻びれの内側が赤く発色する。繁殖においては、親が卵を口腔内に保護する、いわゆるマウスブルーダーである。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

様々な境遇を生きてきた人間ドラマが交錯して・・・

本作品は、様々な境遇を生きる人間たちが登場します。
幼い頃につらい経験をした人、大人になってパートナーとの関係がおかしくなってしまった人、両親との関係がうまく行かなかった人など、複雑な環境の中に生きる登場人物。

そんな登場人物たちが、心の中に秘めた今にも壊れそうな思いを持ちながら、毎日を必死に生きていく様子が描かれています。

自分という存在が認めてもらえない、そしてその生き方が正しいのか間違っているのかそれを教えてくれる人もいない。
たまに教えてくれる人が言う言葉が響かない。

自分がおかしいのか?自分が変わればいいのか?自分がそれに合わせればいいのか?
常に迷いを持って生きている彼らの心理の変化、そして他の人たちとの関わり方などが実に豊かな表現で描かれ、彼らの心が読者にも伝わってきます。

様々な境遇の中で生きてきた、生きている登場人物たちが、5編の話の中で違った視点で描かれて登場してきます。
この表現を読んでいると、実は自分の周りにも、知らない想像もできないような境遇や環境で生きてきた人たちが、その素振りを見せずに生きているんだろうなぁと感じます。

人には誰にも言えない、そして誰も知らない辛い状況や心理があり、それに必死で耐えながら毎日を過ごしている人がいるんだということを考えました。
人との関わりかた、なぜこの人はこんなことをするんだろうと不思議に感じる人がいた時、それは自分には想像もできないような環境を経験していたり、何らかの心の叫びがあるのではないかと一旦考えて接してみようと考えました。

自分の狭い常識を相手に押し付けずに、いろんな状況があるんだと思い人と接していこうと感じました。



「夜空を泳ぐチョコレートグラミー」を読んで!まとめ

本屋大賞を受賞した「52ヘルツのクジラたち」を読んで、その面白さに感動して、町田そのこさんの作品を読みたいと思い、本作品を選びました。

「52ヘルツのクジラたち」でも水の中で生きるクジラと海が色々な場面で、人のその時の状況や心情を表現したり例えたりするときに使われていました。
本作「夜空を泳ぐチョコレートグラミー」でも、水、海、そして魚であるチョコレートグラミーなど、水の中で生きる生き物と海が登場します。

所々で表現されている水の中で生きる生物たち、そしてその水の中の状況を、人間とその人間が生きている世界の状況と似ているものとして捉えるような感覚。

辛さを抱えて、それを心の奥にしまっている人たちを、水、海の大きくて深い包容力で包み込むような感覚を感じる作品だと思いました。
人生を迷い、その繊細で壊れそうな心で水の中をさまよって泳ぐような生活を送る人、それでも一生懸命自分の居場所をこの現実社会の中に探す。

それは大きな海の中で居場所を探すのと似ている。
目の前に広がるその大きな人生という海へ、人は飛び込み自分居場所を探す。

いつ見つかるか分からない。皆が生きやすい居場所だったとしても、それは自分にとっては生きにくい場所だったり、自分が生きにくいから生きやすい場所を探す人、生きにくくてもその場所にとどまる人。

いろんな選択や生き方をする人たちがどんなに迷っても、この広い海が受け止めてくれる。
その広さの中に自分の生きやすい居場所を探すのが大変だと感じる一方で、深く優しい包容力で人を包んでくれる「海」。私たちがその中で生きる生き物。

いつかその海に飛び出し、色々な辛いことに遭遇することは分かっていても、優しく包んでくれるというイメージを持たせる海。
厳しい人生に飛び出すことの難しさ、怖さを感じるのだけれど、それを優しく包む海のイメージが、最終的には読者に温かさを与えてくれる作品だと感じました。

「夜空に泳ぐチョコレートグラミー」SNSでの反応!

SNSに投稿されている「夜空を泳ぐチョコレートグラミー」に関する投稿を見つけましたので掲載しています。

沢山の投稿がありましたが、その中から心に残った投稿を掲載させていただきました。

Twitterでの反応!

ツイッターでも「夜空を泳ぐチョコレートグラミー」に関するたくさんの投稿があります。
本書の魅力がよくわかります!



Instagramでの反応!

Instagramでも多くの方が「夜空を泳ぐチョコレートグラミー」について読了後の感想を投稿されています。
画像とともに、深い感想を投稿されています。
ご興味のある方は是非ご覧になってください。

 

 
 
 
 
 
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