皆さんは本屋さんに行ったときに、疑問に思うことはありませんか?
単行本で出版されているものと同じタイトルの本が文庫本でも出版されて販売されている。
しかも、単行本よりも安い価格で。
これでは単行本は売れないんじゃないの?と思いませんか?
どうして、単行本で出版したものをわざわざ文庫本で出版するの?と不思議に思った方もいるでしょう。
なぜ文庫本で、単行本で出版されているタイトルを出版するのか
その謎を解明していきましょう!
単行本と同じタイトルをどうして文庫本で出版するのか!
さてここからは、単行本で出版しているタイトルをどうして文庫本でも出版するのかという謎について解説していこうと思っています。
それではまずは単行本と文庫本とは一体どんな本なのか、その特徴や違いについて解説しましょう。
単行本とは!
単行本とは、簡単にいいますと、シリーズなどで刊行されるものではなく、単独で刊行される本のことを言います。
カバーもソフトカバーとハードカバーとがあり、ハードカバーの単行本のカバーは硬くて厚手でしっかりとした構造になっています。
単行本のサイズは
- B6判は横が128mmで縦が182mm
- 四六版は横が127mmで縦が188mm
となっています。
ここら辺のサイズをよく知っておくとブックカバーなどを買う時に便利です。
知らずに単行本用と思って買ってきたブックカバーが付けられないということも起きますので注意しましょう!
文庫本とは!
文庫本とは、単行本が刊行された後に、サイズが小さくなり、価格を下げて出版される本のことです。
単行本ではハードカバーのものがありますが、文庫本はすべてソフトカバーになっています。
文庫本のサイズは
- A6判横が105mmで縦が148mm
大体男性の手のひら程度の大きさになります。
この文庫本の大きさはとても便利で、持ち歩きにも大変便利な大きさになっています。
単行本と文庫本の違いとは!
単行本と文庫本の特徴を解説しました。
それではこの単行本と文庫本の違いについてまとめましょう!
- サイズ
- 価格
- 本の材質
紹介しました通り、本の大きさがまず違います。
文庫本の方がポケットに入るくらいの大きさで、単行本よりはかなり小さくなっています。
そして価格です。
価格は単行本で1000円~2000円程度のものが文庫本では数百円で購入できるようになっています。
そしてやはり単行本は価格が高いということもあり
本自体の質も文庫本よりも高く作られています。
紙の質やカバーの質が上質で丈夫なものを使用していますので
本が長持ちする面で考えると単行本の方が優れているでしょう。
つまり値段相当ということですね。
なぜ同じタイトルを文庫本で出版するの?
それではここでの最大の謎!
なぜ単行本と同じタイトルの本を文庫本でも出版するのかという謎を解明していきましょう!
同じタイトルで単行本と文庫本の2つの種類の本が出版されるのはズバリ!
出版社が、そのタイトルの本で単行本で利益を上げて、更に文庫本でも利益を得たいから!
最大の理由はこれでしょう!
まぁそれはそうでしょうね。出版社も利益を上げなければ運営して本を出版していく事が出来なくなりますからね。
私たち読書が好きな人にとっても本が出版されなくなるのは困ります(笑)
出版社はまず、単行本で新作を出版します。
単行本は少し高めの価格で販売されていますね。
出版した単行本の売れ行きから出版社や作家っさんたちは利益を得るようになっています。
そしてその後に文庫本を出版するのですが、実は文庫本を出版するためには色々な条件がありますので
文庫本が出版される経緯について解説していきましょう!
すべてのタイトルが文庫本で出版されるわけではない!
出版社が利益を上げるために文庫本で出版するということは分かりましたね。
しかし、利益を上げるためにすべてのタイトルを文庫本で出版するというわけではありません。
単行本だけで、文庫本が出版されない本もあるのです。
それでは文庫本が出版される本はどんな本なのかを解説します。
文庫本が出版されるのは、単行本でヒットしたタイトルです!
単行本であまりヒットしなかった、売れなかったタイトルは文庫本で出版されることはありません。
文庫本は単行本よりも価格を下げて出版されます。
つまり売れても利益が低いのです。
ということは数が売れなければ大きな利益につながることは難しくなりますので
売れる見込みがないというタイトルはわざわざ文庫本で出版することはないという結果になるのです。
文庫本を出版するタイミングは?
次は文庫本が出版されるタイミングです。
文庫本は、単行本と同時に出版されるわけではありません。
単行本で人気があり売れたというタイトルが文庫本になりますので
単行本が出版された後になります。
大体約1年から3年後くらいに、文庫本として出版されています。
新作として出版されるのは単行本ということですね。
人気がある作品は、文庫本が出版されるまで待つという方もいますが
早く読みたいという方は単行本を買っているでしょう。
単行本と文庫本で内容(ストーリー)の違いは?
先程、単行本と文庫本の外見的な部分の違いについては簡単に紹介しました。
サイズ、価格、本の材質の違いがあることは分かりましたが、本の内容については何か違いがあるの?と思っている方もいると思いますので
単行本と文庫本の内容についての違いを解説しておきましょう。
基本的には単行本と文庫本では本の内容ストーリーなどが変更になることはありません。
しかし、単行本ではあった挿絵がなくなったり、多少の修正(誤字脱字)、省略などがされてある場合があります。
つまり後で出版されるので改訂版となっていたりするので、何らかの見直しがされているでしょう。
だからといって内容が大きく変更になっているということはないでしょう。
ただごくまれに、内容が変わっていることがあるという作家さんの作品もあるようなので
どうしても内容の変更が気になるという方は
文庫本を購入する前に調べたりするするか、文庫本ではなく単行本を購入する方が無難でしょう。
単行本と文庫本でストーリー以外の違いは?
単行本と文庫本でのストーリーの違いについては解説しました。
それでは、それ以外の内容の違いについても解説しておきましょう。
本文の見た目
単行本と文庫本では、サイズが違う(文庫本が小さい)ので、どうしても余白が狭くなり、文字が詰まったような感じになります。
単行本はサイズにゆとりがあるので、余白も広くとってあり
とてもすっきりとした印象を受けます。
「あらすじ」の有り無し
文庫本では、必ずと言っていいほど裏表紙の部分に「あらすじ」が書かれています。
本を購入する際に、その「あらすじ」をある程度参考にしてから購入するという人も多いでしょう。
しかし、単行本の場合には、そのあらすじが書かれていない場合がほとんどです。
新作なので、あらすじもあまり見せないのでしょう。
あとがきなどの解説
文庫本を読んでいると最後に、この本についてのあとがきなどが書かれていて
違う作家さんがその作品を読んでどう感じたかや、本を書いた作家さんが、この作品を出版されるまでの経緯やきっかけなど
作品が出来上がるまでの作品のストーリー以外、作品に関わる色々な情報を知ることが出来ます。
しかし、単行本では、この解説などがあまり見られません。
出版にあたって関係者などに対する感謝の気持ちを載せてあることはありますが、それ以外のことを載せていることは少ないと感じます。
作品に関する色々な情報を知りたいという方は文庫本であとがきや解説を読むのもいいでしょう。
単行本と文庫本!結局どっちがいいの?
ここまで単行本と文庫本の違いについて解説してきました。
違いとそれぞれの特徴はよくわかったけど、結局のところどっちがいいの?どっちがおすすめなの?
そういう疑問に対しても最後にまとめていきましょう!
それぞれのメリットやデメリットが分かればどちらの本のタイプがいいのかが見えてくると思います。
単行本のメリットとデメリット!
まずは文庫本よりも先に出版、販売される、単行本のメリットとデメリットについてまとめていきましょう。
単行本のメリット
単行本の最大のメリットはやはり「鮮度」でしょう。
新作は単行本で出版されますので、好きな作家さんの作品など、すぐに読みたい!という方にとってはこの「鮮度」、つまり作品の新しさが最大のメリットと感じられるでしょう。
そしてもう1つは「本の質」でしょう。
文庫本に比べて、表紙も厚くしっかり作られていて、紙も上質なものを使用しています。
そのため本全体の品質がいいということが言えます。
本棚に並べたときの存在感は抜群でしょう。
単行本のメリット
- 鮮度
- 本の品質
単行本のメリット
次はデメリットです。
単行本のデメリットはやはり価格だと感じる人は多いでしょう。
文庫本に比べてどうしても価格が高くなります。
1,000円~2,000円の間で価格設定されているものがほとんどです。
この価格を高いと感じるかそうでもないと感じるかで
デメリットとは感じない人もいるでしょう。
次のデメリットは「大きさ」でしょう。
文庫本に比べて、サイズが大きいので携帯する時にはどうしても大きさと重さがデメリットと感じてしまいます。
家で読書するときには気になりませんが、どこかに持っていって読書を楽しむ際には、大きさと重さは負担になってしまうかもしれません。
本棚に並べた時は、このサイズ感はとても高級感があっていいと思いますが。
単行本のデメリット
- 価格
- 大きさ・重さ
文庫本のメリットとデメリット!
次は文庫本のメリットとデメリットについて解説していきましょう!
文庫本のメリット
文庫本のメリットは何といっても読者に優しい低価格でしょう!
単行本の廉価版ということで出版されるので、価格は低価格に設定されており、数百円で買える価格に設定されている場合がほとんどです。
次のメリットはサイズの小ささです。
単行本に比べて小さいサイズで作られていますので、持ち運びなどの際にはとても助かります。
特に女性は、小さくて軽い文庫本であれば、片手で持って読めますし持ち運びも苦になりません。
ポケットに入るくらいの大きさなので、バッグがない時でもサッとポケットに入れて移動できるので、公園のベンチで読書なんてことも気軽に楽しめます。
サイズが小さいので当然重量も軽くなりますので持ち運びが楽になりますね。
まれに長編作品では驚くほどの厚さで出版されることがあるので
そんな作品の場合は簡単にポケットに入れてという訳にはいきませんね。
もう1つの文庫本のメリットは統一感があるということです。
文庫本はブックカバーが出版社によって統一されていいて、そしてサイズも同じサイズなので、本棚に並べた際に同じ背表紙で、同じサイズのものがズラッと並ぶことになるので
部屋の本棚に統一感が出ます。
本屋さんでもその統一感を感じることが出来るでしょう。
同じ出版社の棚は同じ背表紙、同じ高さの本がずらっと並んでいますね。
そして最後にもう1つ文庫本のメリットとして挙げておきたいことがあります。
それは、単行本が売れて、その本が映画化された時などに、映画化を宣伝するために特別なブックカバーが通常のブックカバーの上に重ねて付けられて販売されることがあります。
そのブックカバーに好きな俳優さんなどが載っていたりすると、とてもお得感があります。
単行本で出版されたときは、まだ映画化がされていなかったけど
文庫本が出版されて映画化もされるとなった場合に、この宣伝用ブックカバーをよく見かけます。
単行本でもこういった表紙は付けられているのかも知れませんが
あまり見かけたことがありません。
文庫本のメリット
- 低価格
- サイズがコンパクト
- 統一感がある
- 特別なブックカバー
文庫本のデメリット
文庫本のデメリットは、本の品質です。
単行本は上質な紙を使用していますが、文庫本は単行本に比べて若干質の落ちる紙を使用しています。
価格を下げるためですから、仕方ないのですが、この紙質が嫌だという方はこれをデメリットと感じるかもしれません。
もう1つのデメリットも感覚的なものになりますが
サイズが小さくなっているので、どうしても文字を1ページに詰め込む必要があります。
そうなるとページの余白がどうしても狭くなって窮屈な印象を受けます。
この窮屈な感じが嫌だと思えば、それがデメリットに感じられるでしょう。
文庫本のデメリット
- 単行本に比べて本の品質が落ちる
- 余白な狭くて窮屈
文庫本って何なの?単行本と文庫本どちらがいいの?まとめ!
さて文庫本って一体何なのか?
どうして単行本と同じタイトルが文庫本として出版されるのかという謎が解けましたね。
- 単行本で出版して、人気のある作品は文庫本として出版
- 売れる作品で、更に利益を得るために単行本よりも安い価格で文庫本として出版
- 単行本が出版されてから約2年から3年後に出版
- ストーリーに変更はないが誤字脱字など多少の修正をして出版
文庫本の存在がよくわかりましたね。
そして最終的に単行本と文庫本、結局どっちを買うべきなのかという疑問が湧いてくるでしょう。
最後にその疑問に、私なりの回答をしたいと思います。
- 本の鮮度!新作はすぐ読みたい!という人は「単行本」
- とにかく面白い作品を後でも読めればいいという人は「文庫本」
こういう結果になると思います!
ただし、面白いからといって必ず文庫本が出版されるかは分かりません!
そしてもう1つ!うれしい情報ですが、新作がいきなり文庫本で出版される、新刊が文庫書下ろしという作品もありますので、人気の作家さんの作品などは新刊情報をチェックしておくことも重要です!
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