《感想》◆残月記◆
いつも見ていた月。その月が人を現実からはじき出す!

読書感想小説SF・ファンタジー

「残月記」

残月記:小田雅久仁
残月記:小田雅久仁

未来の人類を襲う感染症
その感染症に冒された人間が描く生き方。

2022年本屋大賞ノミネート作品!

残月記:読書記録
残月記:読書記録

「残月記」を読んで

2022年の本屋大賞ノミネート作品に選ばれた本作品。タイトルや表紙からは、歴史小説?ホラー小説?というイメージを受けました。そして小田雅久仁先生の作品を読むのも初めてだったので、読み始めは手探り、どんな世界観?という状態で入りました。

内容としては、「月」が人間に与える現象について、著者の想像力によって描かれています。3編からなる作品で、その3編とも「月」と人間の関係について描かれています。

月の裏側には狂気が宿っている。
P.39

読み始めとしては、先ほども書きましたが、まさに手探り。著者の想像力の中に、少しずつ足を踏み入れていく感じでした。正直、その世界観についていくのに必死でした。月によって起こされる不思議な現象。それは現実の世界とそれとは違うもう1つの世界を行ったり来たりする現象です。

これはホラー?ファンタジー?と様々な感覚を感じながら読み進めました。そしてそう感じられる、その世界に徐々にはまっていく感じの描き方に、いつの間には入り込んでいました。

最初の2編で、その不思議な感覚に達し、本作のタイトルにもなっている最後の3編目の作品「残月記」へと入っていきます。この最後の3編目は、「月」によっておこる感染症に侵されている近未来の人類の世界が舞台となっています。

月による感染症に感染した人間たちを強制的に収容施設に入らせるという法律を作ってしまった、独裁者によって統治されている日本。収容された感染者たちは厳しい監視下に置かれ、管理されています。

今の日本ではまず考えられないような世界を想像し、それをリアルに描き、人間ドラマへと結末を向かわせる、著者の想像力と表現力、文章力にぐいぐい引き込まれました。非現実的な世界であるのに、それを読者がリアルに感じることが出来るのは、もちろん著者の表現力もありますが、私たちが知っている「狼男」の話をイメージできるからだと思います。

狼男の話の未来版、そしてそこにもっとリアルで人間的な心情が著者の力によって作品へと埋め込まれたことによって、最後まで読者の気持ちを離さない作品へと仕上がっていると感じました。

愛という言葉は、今この瞬間の熱情を言いあらわすためのものではない。発せられた瞬間から過去へさかのぼってすべてを受け入れるための言葉であり、そして何よりどうなるとも知れない未来への約束のための言葉だ。
P.277

読み始めは、ファンタジーか、ホラーかなど考えながら読んでいましたが、結末に向けて、それがいつの間にか、前述した引用部分のような言葉を描く、恋愛小説の姿へと変化していく、1つの作品の中でその変化を感じることが出来ます。「月」による感染症によって、普通とは違う人生を歩みながら、大切な人のことを思う、そして思い続ける男女の姿に、恋愛小説としても感動できる作品です。

誰も知るはずのない未来の世界を、想像力によってリアルに描く、そして読者が理解できないという感じにならない、その想像力と表現力に、「凄い!」の一言です。

読了後も、その不思議な未来の世界に浸ることができ、夜の月を見た時に、更に作品を思い出す。記憶に残る内容でした。これまで読んだ他の本屋大賞ノミネート作品とは違う魅力をもった作品だと感じています。



「残月記」SNSでの反応!

SNSに投稿されている「残月記」に関する投稿を見つけましたので掲載しています。

沢山の投稿がありましたが、その中から心に残った投稿を掲載させていただきました。

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今回当ブログで紹介させていただくことを許可していただきありがとうございました。
あやこ」さん、「」さん!
今後も投稿楽しみに拝見させていただきます。

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残月記

未来の人類を襲う感染症
その感染症に侵された人間の生き方
☆2022年本屋大賞 第7位
☆小田雅久仁
☆双葉社

その他のおすすめの本はコチラ!

2022年本屋大賞ノミネート作品!

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