《感想》◆黄色い家◆
一緒にいるためにお金が必要だった

「黄色い家」

一緒にいるためにお金が必要だった

「黄色い家」について

この作品は川上未映子先生の長編小説です。

ずっと読みたいと思っていた作品でした。
なんといっても、この表紙の黄色が書店でも映えていて、非常に目立っていました。
調べてみると、SNSでも非常に評価が高い作品で、読了後の感想も高評価という判定で公開している方が目立ちました。

そしてもう1つ目立つのが、この本の厚みです。
この作品、単行本で600頁を超える、ボリューム満点の作品なんです！
川上未映子先生の、ボリューム満点の作品が楽しみでした！

そんなこともあって、ずっと読もうと思っていてたこのボリューム満点の作品！
今回やっと読み終えることができましたので感想をアップしたいと思います。

「黄色い家」の感想

このボリュームのあるページ数でさすがに読了までに時間がかかってしまいました。
しかし、読んでよかったと思える内容で大変満足できた深い作品でした。

内容を簡単に言うと人とお金の話です。
人は今の自分の生活を守るために、お金が必要だと考える、そしてお金を手に入れるための方法を考え、その結果犯罪に手を染めてしまうという物語です。

簡単に内容を解説しましたが、これは本当に簡潔に表現しただけで、実際の物語は、こんなに簡単に表現して終わらせてはいけない内容です。
評価の高い作品ということが納得できる。もっともっと考えさせられる内容となっています。

普通にお金を稼ぐにはちゃんと働けばいいと思う方が多いと思いますが、この物語に登場するのは、複雑な家庭環境で育ち、自分が思うような生活を送るのが難しくなってしまった人たち。
彼らが、少しの幸せな毎日を手に入れたい、維持したいと思うようになり、そのために何ができるかと考え、もちろんちゃんと働こうとするのです。

しかし、その生活に色々な苦労が襲い掛かってきます。
今すぐにお金をもっともっと手に入れなければいけない状況。幸せな生活を壊したくない、守るためにはまとまったお金が必要。

そういう状況に追い込まれたとき、犯罪に手を染めてしまうのです。

今の幸せを維持するためには、お金が必要。
幸せを守るためにお金を手に入れたのに、そのお金が今の幸せを壊してしまう。
そんなはずじゃなかった。。。

主人公のこの「こんなはずじゃなかった」、「なんで？」という心の叫びが、言い表せない感情が心に深く沁みてきます。
私はただ、今の幸せを守りたかった。。。みんなのために。。。

でもこの思いとは裏腹に、事態は思いもよらぬ方向へと流れていきます。
一体どうしてこうなってしまったのか、人とお金、そして犯罪の関係をリアルに描いています。
人間とお金の関係を描きながら、そこには人間の「狂気」、「欲」。「夢」、「幸福」、「絶望」などいろいろな姿が見えてきます。

しかし、ずっと感じるのは人間の「優しさ」。
その狂気の中には、人間の優しさという部分が常にあって、本当の悪人とは言えない人間の描き方をこの作品でずっと感じていました。

人間とお金と犯罪という背景があると、どうしてもドロドロした人間関係を思い浮かべるのですが、この作品では、ずっと人の優しさ、温かさのようなものを感じてしまっていました。
人間のリアルを描きながら、深く心に沁みてくる物語でした。

読旅の分析・評価

「黄色い家」SNSでの反応！

SNSに投稿されている「黄色い家」に関する投稿を見つけましたので掲載しています。

沢山の投稿がありましたが、その中から心に残った投稿を掲載させていただきました。

Twitterでの反応！

ツイッターでも「黄色い家」に関するたくさんの投稿があります。
本書の魅力がよくわかります！

Inatagramでの反応！

Instagramでも多くの方が「黄色い家」に関する感想を投稿しています。
本書の魅力がよくわかります！

「黄色い家」を読んでみたくなったらコチラ！

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