《読書感想》
◆夏のピルグリム◆
ひと夏の奇跡が家族を再生させる
第12回ポプラ社小説新人賞奨励賞を受賞した作品。妹を亡くした姉が、推しに会うために九州の宮崎までの旅に出発する。姉は妹の死に関することで、心に悲しい思いを秘めていた。妹も好きだった人気アイドルグループの推しに会いに行くために、姉は友達と旅に出てその道中で様々な人の出会いを経験し、考え方を成長させていく、そして最後に姉がたどり着いた家族との向き合い方、そして家族がたどり着いた家族としての形とは。
《読書感想》 ◆私は女になりたい◆
私は強く思ったもう一度女になりたいと
ひとりの女になりたい。アラフィフを迎えた仕事に全力で生きてきた女性が、ある年下の男性に惹かれ恋に落ちる。忘れかけていた女性として生きるという気持ち。その気持ちを思い出した女性の魅力や可愛らしさを存分に描いた作品。恋愛小説の名手がアラフィフ女性の心を揺さぶる!
《感想》 ◆アントキノイノチ◆
その命と向き合う、それでも生きている
人が亡くなる最期のときに遺すと言われている「ぎょらん」と呼ばれる赤い珠。その珠を食べた者は亡くなる人の思いを知ることができる。その珠に込められた思いをしった時、その後の人生をどう生きるのか。珠に込められた思いは本当になくなっていく者の最期の言葉、思いなのか。
《感想》 ◆ぎょらん◆
この珠は亡くなった人の思いかそれとも残された人の思いか
人が亡くなる最期のときに遺すと言われている「ぎょらん」と呼ばれる赤い珠。その珠を食べた者は亡くなる人の思いを知ることができる。その珠に込められた思いをしった時、その後の人生をどう生きるのか。珠に込められた思いは本当になくなっていく者の最期の言葉、思いなのか。
《感想》 ◆潔白◆
こんな隠蔽は決して許されない
私のお父さんは犯人じゃない!この真実を知っているのは娘。お父さんが犯人であるはずがないのだ。しかし、この真実を証明することができない。死刑執行されている父親の冤罪証明のために娘は大きな組織と戦うことになる。保身のために情報を隠蔽する組織と個人との戦いを描いた作品。深く考えさせられるミステリー小説!
《感想》 ◆百花◆ 母から引き継がれる大切な記憶
母親のことを大切にしようと強く感じた作品でした。息子のことすら忘れてしまった母。しかし、母が最後まで記憶の中に残していたものそれはとてもとても身近にあった。元気な頃は分からなかった母のこと自分が親になった瞬間に母が息子のことをどう思っていたのかそれを心から理解できる。深く心に沁みる作品です!
《感想》◆黄色い家◆
一緒にいるためにお金が必要だった
川上未映子先生が描く、人間とお金。今の幸せを守るために、考えた方法とは。ほんの少しの幸せでいい、今のこのみんなと過ごせる時間を守りたかった。私がやるしかなかった。しかし、その選択はやがて思いもよらない方向へと事態を向かわせる。人はどうしてお金に人生を狂わされてしまうのか。深く考えさせれれた、心に沁みた名作です!
《感想》◆天空の蜂◆
人質は日本国民、犯人の要求とは
ネットで偶然見つけた、昔好きだった本について書かれたブログ。そのブログに書かれた感想に共感し、コメントしてみた。そのコメントにまさかの返信。そして二人のやり取りが始まった。やがて二人は会うことになった。しかしそこで感じた、なんとも言えないすれ違いの感覚。二人がわかり合うために本気で本音で話し合う。ほんとうの優しさとは。深く考えさせられた作品!
《感想》◆レインツリーの国◆
忘れられない本が繋げた恋、でも彼女は会えないと言った
ネットで偶然見つけた、昔好きだった本について書かれたブログ。そのブログに書かれた感想に共感し、コメントしてみた。そのコメントにまさかの返信。そして二人のやり取りが始まった。やがて二人は会うことになった。しかしそこで感じた、なんとも言えないすれ違いの感覚。二人がわかり合うために本気で本音で話し合う。ほんとうの優しさとは。深く考えさせられた作品!
《感想》◆怪物◆
怪物は誰?怪物の正体とは?
是枝裕和監督の映画「怪物」を完全映画化したのがこの作品!タイトルから想像もできない深く心に沁みる、考えさせられる作品。タイトルが意味する「怪物」の正体とは一体!怪物は誰?友達?先生?家族?それとも・・・。怪物の正体が見えた時、読者はきっと深く考えることになる!
《感想》◆白いしるし◆
すぐに染まってしまう白、その白に儚さと強さを感じる
2023年新潮文庫の100冊の中の1作品!西加奈子先生の恋愛小説「白いしるし」。白という色が、この物語をただの恋愛小説ではなく、より人間的で深い物語へと色を変えている。読むほどに、その白という色が、白を強調しながらもいろいろな色を見せてくれる。不思議な感覚を持つ深い恋愛小説です!
《感想》◆失はれる物語◆
その物語には切ない意味が隠されている
乙一先生の魅力がたっぷりと盛り込まれている短編集!7作の短編小説に書下ろしの作品1作を加えて、全8作品を収録!乙一先生の魅力をサッと感じてみたいと思っている方にもおすすめ!乙一先生の独特の世界観で描かれる作品を一気に楽しめる短編集です!
《感想》◆世界でいちばん透きとおった物語◆
父の優しさを知ったときその本当の意味を体感する
父の優しさを知ったとき、タイトルの意味、そしてこの作品に隠された予想外の展開とその仕掛けに気付く。気付いた時の衝撃は、他の作品では味わえない!まさに体感型の小説!この衝撃を体感しよう!
《感想》◆天使も怪物も眠る夜◆
二つが一つになるとき新しいものが生まれ始まる
中央公論新社「螺旋プロジェクト」という壮大な物語の「未来」を描いた作品がこの「天使も怪物も眠る夜」です。この作品では、古代の時代から続いてきた、海族と山族の血の宿命の最終的な形、その結末を描いています。螺旋プロジェクトという壮大な物語がついに吉田篤弘先生によって、結末を迎えます。これまで続いてきたこの宿命が一体どんな形に収まるのか、未来の時代がこの宿命をどんな関係にしていくのか、見事なその結末に、読後感最高の作品です!
《感想》◆死にがいを求めて生きているの◆
争わずに生きる方法を探す。血に惑わされずに生きられるか
中央公論新社「螺旋プロジェクト」という壮大な物語の「昭和後期」の時代を描いたシーソーモンスターと「近未来」の時代を描いたスピンモンスターの2作が収録されている作品!この作品では、海族と山族の関係に翻弄される嫁姑の関係を描いています。実に面白い着目点で軽快に物語が進んでいきます。伊坂先生の特徴が感じられる素敵な作品!
《感想》◆シーソーモンスター◆
時空を超えてもなお続く運命を変える
中央公論新社「螺旋プロジェクト」という壮大な物語の「昭和後期」の時代を描いたシーソーモンスターと「近未来」の時代を描いたスピンモンスターの2作が収録されている作品!この作品では、海族と山族の関係に翻弄される嫁姑の関係を描いています。実に面白い着目点で軽快に物語が進んでいきます。伊坂先生の特徴が感じられる素敵な作品!
《感想》◆コイコワレ◆
海族と山族は仲良くなれない、その宿命に抗った二人の少女
中央公論新社「螺旋プロジェクト」という壮大な物語の「昭和前期」の時代を描いたのがこの作品「コイコワレ」。疎開先で出会った2人。忌み嫌い合う2人。でもなぜがその存在が気になってしまう。それは負けたくないという気持ちからなのか、何とかその関係を違う形で表現できないのか、いつかその存在を許し、分かり合えることができるのか、そして二人の少女がたどり着いた未来とは一体。
《感想》◆月の立つ林で◆
人は繋がり生きている。月が表す新しい始まり
誰もが抱えている日常生活の中での悩み、そしてその悩みを乗り越えていく姿を、青山先生の優しく、そして温かい物語で描く。今、悩みを抱えている、疲れてしまっているあなたへおすすめの作品。2023年本屋大賞第5位を獲得した作品
《感想》◆線は、僕を描く◆
水墨画の美しさが見えるよう描くことで自分を解き放つ人間ドラマ
2020年に本屋大賞で第3位を獲得した名作!そして映画化も決定しています。水墨画に魅了される主人公の青年。彼は両親を事故で失い、喪失感により自分の内側に閉じこもってしまう。しかし水墨画に出会うことで、その内側の世界を知っていたことで、一本の線の表現の繊細さに気付くことになります。そしてやがてそれは外の世界に向けて羽ばたこうとするのです。水墨画に魅せられた人たちの感動の人間ドラマを描く!
《感想》◆東京百景◆
現れた新たな人格、その存在に恐怖する!
私が好きな作家さん又吉直樹先生。又吉先生の作品で何が好きかというと先生が描く、人の心。心情の変化を描くのがとても絶妙というか繊細で思わずうなずいてしまうくらい共感できる。その様子が手に取るように伝わってくるそんな表現です!上京した時の心情を面白く、そして繊細に描く、エッセイ集!思わず笑ってしまうそんな優しい作品!